お薦めの本

お薦めの本

ワクチンの製作過程とその種類/宮坂昌之「免疫力を強くする」

COVID-19の感染拡大がやや落ち着いたところで、ウイルスに続いて学んでおきたいのがワクチンについて。 山中伸弥教授のウェブサイトでも紹介されている、免疫学の宮坂昌之教授のブルーバックスがあったので...
お薦めの本

たらいまわしの原点/磯田道史「無私の日本人」

「たらいまわし」という習慣はいつ頃からはじまったのか? 映画「殿、利息でござる!」の原作、磯田道史「無私の日本人」によると、戦国時代が終わり、武士の人数が有り余ったことに起因するようだ。 だから一人で...
お薦めの本

日銀前総裁のデフレに対する認識/白川方明「中央銀行」

なぜ中央銀行の独立性が脅かされるのか? それは民主主義の正規のプロセス外にある「非多数派機関」ゆえに、ポピュリストにとって仮想敵の要件を備えた格好の存在となってしまうから。という見解が、森田長太郎「経...
お薦めの本

お気楽人間の遺伝子と脳の秘密?/エレーヌ・フォックス「脳科学は人格を変えられるか?」

軽やかに生きているように見えるがその秘訣は? そんな風に問われて過去にまとめた人生観を読み直した。 私の人生観(13/06/22) 意外にもいま振り返っても、追加・修正する必要がなくて上出来。私が後に...
お薦めの本

ウイルス・細菌の関連書籍で、人間の思い上がりを再認識する。

ウイルスや細菌に関する本をいろいろ読んでいると、私たち人間の考え方は勝手だな、と痛感させられる。 COVID-19と戦う今は、ウイルスは敵だ!と思ってしまいがちだが、私たちがここまで進化するためにウイ...
お薦めの本

「経済」の語源は「経世済民」(世をおさめ、民をすくう)

松岡正剛の新刊「日本文化の核心」に、経済にまつわる言葉の語源が紹介されていて興味深い。 まずは「経済」。 この言葉はもともとは「経世済民」の省略語で、「経世」は荘子、「済民」は書経からとられたものだっ...
お薦めの本

ゆらぐ生命の定義/山内一也「ウイルスの意味論」

ウイルス探求の三冊目。山内一也「ウイルスの意味論」。 前回読んだ中屋敷均「ウイルスは生きている」でも、ウイルス研究を通して、何を持って生きているとするのか?という見解が述べられていた。 本書では20世...
お薦めの本

生とは何か?/中屋敷均「ウイルスは生きている」

中屋敷均「ウイルスは生きている」。 ウイルスと感染症について学びたい!と選んだうちのひとつ。同じ著者の本は「科学と非科学」に続いて2冊目だが、前回と同様に「生とは何か?」を考えさせられる内容だった。 ...
お薦めの本

1918~20年のスペイン風邪を学ぶ

1918~20年に多くの死者を出したインフルエンザによるパンデミック、「スペイン風邪」について、これまで下記から学んだことをいったんまとめ。 石弘之「感染症の世界史」(洋泉社・2014年→角川ソフィア...
お薦めの本

人間の移動が病気を拡散する/石弘之「感染症の世界史」

この機会にウイルスや感染症について学ぼうと思ったが、関連図書は図書館では貸出待ちで、Amazonでも在庫切れ。外出自粛ならば読書、という人が意外と多いようだ。こういうときに電子書籍は便利。 Kindl...
お薦めの本

非多数派機関の憂鬱/森田長太郎「経済学はどのように世界を歪めたのか」

森田長太郎「経済学はどのように世界を歪めたのか」には、経済ポピュリズムの圧力を受ける中央銀行の金融政策が描かれている。そしてなぜ中央銀行の独立性が脅かされるのか、問題の根幹を説いた部分がとても分かりや...
世界を読み解く方法

読書はネット社会への抵抗だ!/デヴィッド・L・ユーリン「それでも、読書をやめない理由」

2010年にアメリカで出版され、2012年に翻訳された、デヴィッド・L・ユーリン「それでも、読書をやめない理由」。 原題は“The Lost Art of Reading: Why Books Mat...
お薦めの本

三つ星シェフの自伝、マルコ・ピエール・ホワイト「キッチンの悪魔」

マルコ・ピエール・ホワイトの自伝「キッチンの悪魔」を読んだ。 イギリスの片田舎の貧しい父子家庭で育ち、高校中退後に料理の道へ進み、ミシュランの星付きの「ル・ガヴローシュ」「ル・マノワール」で働いた後、...
世界を読み解く方法

知識分類のはじまり(16、17世紀)/ピーター・バーク「知識の社会史」

ピーター・バーク「知識の社会史」の第5章「知識を分類する」。ここに描かれたヨーロッパにおける知の整理が面白かったのでメモ。 知の分類に関する論争 1400年頃のミラノの大聖堂の建築における石工と建築家...
お薦めの本

東京は親子どんぶり/ロジャー・パルバース「もし、日本という国がなかったら」

日本を単一の民族・文化・社会と見るのは間違っている。このことを身をもって実感したのは、福岡出身の妻と結婚してから。 普段は気が付きにくい「多様な日本」を理解するには、海外からやってきた日本好きの識者の...
日本の美意識

美意識を土壌に生み出されるもの/久保友香「盛りの誕生」

女子高生を中心に形づくられた「盛り」には、日本の伝統的な美意識が根付いていると指摘した一冊が興味深い。 久保友香「盛りの誕生」 部外者には服装や化粧など見た目がまるで同じの量産型少女が、渋谷の街を闊歩...
お薦めの本

金融株に投資をするなら、若奈さとみ「巨大銀行のカルテ」

昨年2019年秋にこんなに凄い本が出版されていたのを見逃していた。 若奈さとみ「巨大銀行のカルテ リーマンショック後の欧米金融機関にみる銀行の未来」 リーマン・ショックから10年超にわたる金融機関の動...
お薦めの本

生きるとは、分からない世界から分かることを増やすこと/中屋敷均「科学と非科学」

サイエンスエッセイ、中屋敷均「科学と非科学」がおもしろい! 本書の第七話「科学と非科学のはざまで」は、2019年の東京大学の入学試験にも採用された名文だ。 まず「カオスの縁」という概念を出だしで説明し...
お薦めの本

読んだ本と振り返る2019年

神田邦彦「現代文 標準問題精講」 今年は突出しておもしろかった!という本には出会わなかったが、最も勉強になったという観点での今年No.1オススメは、 神田邦彦「現代文 標準問題精講」 大学受験用の現代...
お薦めの本

細野透「謎解き庭 龍安寺石庭」

龍安寺の石庭に思わせぶりに配置された大小15の石。古来より多くの識者が以下の3つの謎を中心に推考を重ね、 何をテーマに設計された石庭なのか? 5つの石組みと15の石は何を意味しているのか? どのような...