美意識を土壌に生み出されるもの/久保友香「盛りの誕生」

この記事は約2分で読めます。

女子高生を中心に形づくられた「盛り」には、
日本の伝統的な美意識が根付いていると指摘した一冊が興味深い。

部外者には服装や化粧など見た目がまるで同じの量産型少女が、
渋谷の街を闊歩していた奇妙な時代があった。

でもそれは「守破離」の美意識が働いているからだと著者は指摘する。

  1. 一から自由にビジュアルを作ることなく、まずはコミュニティで共有する方を「守」る
  2. 細部で「破」って新しい要素を取り入れていき、
  3. それが多くの人に真似されると、そこから「離」れて新しい型ができていった。

具体的な「型」の代表例は「ルーズソックス」だ。

またその後の「デカ目」盛りのプリクラや自撮りは、
外部のコミュニティからは個性を隠す意味合いを含み、

  • 巫女…不特定多数の男性に見られる異常な存在であり「神の妻」の性格を持った、厚化粧をして個性を隠した
  • 遊女…肌を白塗りして眉を描く等の過度な装いをすることで個性を隠し、ありんす言葉に統一して訛りを隠した

に通ずるのではないかと指摘している。

伝統に根ざしたものなのか、はたまた後付け解釈なのか。

私たちの日本が曲がりなりにも豊かな国なのはなぜか?
と考えると単なる後付け解釈とも言えないように思う。

肥沃な土壌から美味しい作物が収穫できるのと同じように、
極東の島国ゆえの異国文化への強い欲望と伝統的に高い美意識、
これを土壌に生み出した事業で外貨を稼いだとも考えられる。

ちひさきものはみなうつくし

清少納言が美的感覚を一言でまとめたように、

  • 中国から伝来した「うちわ」を「扇子」に革新
  • わずかな文字数に世界観を凝縮した「和歌」や「俳句」
  • 「仏壇」は「寺院」を縮小した浄土へのどこでもドア
  • 景観美を手のひらサイズにした「箱庭」や「盆栽」

といったコンパクト化へのこだわりが、
日本が20世紀の技術小型化の波に乗った背景にあった。
かつて世界を席巻したウォークマンが良い例だ。

日本の伝統的な美意識に根ざしたもので、世界の潮流に乗れるものは何か?

日本株の長期投資にはこういう視点が必要なはず、と考えてはいるが…

コメント

タイトルとURLをコピーしました