読書はネット社会への抵抗だ!/デヴィッド・L・ユーリン「それでも、読書をやめない理由」

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2010年にアメリカで出版され、2012年に翻訳された、
デヴィッド・L・ユーリン「それでも、読書をやめない理由」。

原題は“The Lost Art of Reading: Why Books Matter in a Distracted Time”

文筆家であり書評家である著者はあるとき、読書感覚に違和感を覚える。
読書に集中できず、物語の複雑性に入り込むことができない。なぜなのか?
ネット社会により、本を読むために必要な静寂が失われたからではないか?

ネット社会がもたらした情報の洪水とどう向き合うか?

2010~15年頃にこの手の主題の本がよく出版されていたように思う。

その後は数が減ったように思うのは、人工知能に話題を奪われたからだろうか?
とはいえ課題が解決した訳ではなく、今も残されたままだろう。

多くの知識人により様々な処方箋が示されてきたが、
私にとってはユーリン氏の主張がもっとも分かりやすい。

ネットやスマホによって注意力散漫になりがちな現代社会において、
読書に没頭することが最大の抵抗であり、悪循環を抜け出す方法なのだ
と。

「結局のところ、何かと注意が散漫になりがちなこの世界において、読書はひとつの抵抗の行為なのだ。そして、わたしたちが物事に向き合わないことを何より望んでいるこの社会において、読書とは没頭することなのだ。読書はもっとも深いレベルでわたしたちを結びつける。それは早く終わらせるものではなく、時間をかけるものだ。それこそが読書の美しさであり、難しさでもある。なぜなら一瞬のうちに情報が手に入るこの文化の中で、読書をするには自分のペースで進むことが求められるからだ。」

とくに今は悪化の一途をたどるコロナウイルス感染拡大の影響で、
最新の情報を追ったところで真実は掴めず、無駄に不安にさらされるだけ。
投資判断を誤らないためにも、今は読書に没頭するのに最適だろう。

それでも、読書をやめない理由
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