古今和歌集

古今和歌集に詠まれた「桜色」

桜の季節になると和歌とたわむれたくなるもの。今年の東京の桜は満開になった直後から雨が続いている。雨がやみ、お花見日和になる頃には、桜は散り始めだろうか。というわけで、まもなく散ろうとする桜歌を鑑賞する...
日本の美意識

令和が梅なら、次は桜にまつわる元号を!

桜と月に関する日本の古典を編集して本にした時、万葉集の梅から古今集の桜に関心が移る過程を簡単に紹介した。「古代の日本で「春の花」と言えば「梅」だった。いつごろ日本の関心が梅から桜へ移っていったのだろう...
新古今和歌集

藤原定家の桜歌/拾遺愚草より10首

腰が壊れて動けなくなった時に(実は未だに完治せず…)、藤原定家の自選和歌集「拾遺愚草」をタブレットで読んでいた。※このサイトでPDF版がダウンロードできる!まもなく桜の時期がやってくるので、目に止まっ...
万葉集

万葉人の桜/百人一首61「奈良の都の八重桜」

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな藤原道長の娘で一条天皇の中宮・彰子に仕えた歌人の一首。奈良から宮中(九重)に献上された八重桜を愛でている。平安時代には京都では八重桜は珍しかっ...
西行「山家集」

桜をめぐる旅。花見は瀬戸内海がお薦め!

人生最長の7泊8日の長旅。ちょうど桜の満開時期に重なり、各地で桜を見ることができた。花見にと 群れつつ人の 来るのみぞあたら桜の とがにはありける今よりは 花見ん人に 伝へおかん 世を遁れつつ 山に住...
西行「山家集」

西行の「花に染む心」に共感をおぼえる

毎年、桜の咲く時期になると、Google経由で西行の桜の和歌の記事が一番人気になる。 西行「山家集」春の章より桜歌10首 今一度読み返してみたら、今の心境にピッタリの一首がある。 花に染む 心のいかで...
古今和歌集

紀貫之の桜歌/古今和歌集より10首

桜の季節が迫ってくると、 西行「山家集」春の章より桜歌10首 兼好の桜観/徒然草137、139、161段 枕草子に舞う桜/清少納言の桜観といった記事にアクセスが集中する。歌人や作者に絞った桜を眺めるの...
日本の美意識

菅原道真の梅は飛び、桜は飛ばず?

和歌に詠われる春の花が梅から桜へ移る頃に、梅を愛した菅原道真が政争に敗れ、都落ちをする。菅原道真/梅が桜に変わる頃に屋敷内の梅の木との別れを惜しんで詠んだ歌は、後に主人を慕って梅の木が太宰府まで飛んで...
日本の美意識

「桜狩り」から「紅葉狩り」へ

紅葉狩り。この表現の由来は「桜狩り」のようだ。いつの時代からかは分からないが、紅葉と桜が入れ替わった。世の中に たえて桜の なかりせば春の心は のどけからまし散ればこそ いとど桜は めでたけれ憂き世に...
めくるめく和歌の世界

夢窓国師の桜歌/中世の美意識と尊氏讃歌

夢窓国師(夢窓疎石)。鎌倉末期~室町初期を生きた臨済宗の禅僧で、天皇から7つもの国師の称号を贈られた人物。これまで枯山水や幸福論の文脈で紹介してきたけど、 夢窓国師の山水思想 夢窓国師の見た夢/夢中問...
百人一首

散る桜の和歌/百人一首33「静心なく花の散るらむ」

散り始めた桜。その情景を詠った百人一首の和歌と言えば、ひさかたの 光のどけき 春の日に静心なく 花の散るらむ古今和歌集の撰者の棟梁、紀友則の一首。上三句に穏やかな春の情景美を描く一方で、下二句では静け...
めくるめく和歌の世界

良寛の桜歌

良寛(1758~1831)というと「書」のイメージがある。最近、北大路魯山人について調べていたせいかな。魯山人は食より先に書の達人でこんな講演をしている。「中国の書には外形の美はあるが、日本の能書は内...
日本の美意識

しだれ桜は神の通り道/柳田国男「信濃桜の話」

柳田国男「信濃桜の話」にこんな一節がある。「十年ほど前に世に出した信州随筆という本の中に、私はしだれ桜の大きなのが信州に多いということを書いた。しかしそれから気を付けて見ると、それは決してここだけには...
百人一首

小町が桜に込めた想い/百人一首9「花の色は…」

百人一首に収録された桜歌で代表的な和歌と言えば、小野小町が詠んだこの歌だろうか。花の色は 移りにけりな いたづらにわが身世にふる ながめせし間に美しい花もやがて散る…、私もおばさんになっちゃった。そん...
日本の美意識

初めての電子出版「日本の月と桜」

第2版のお知らせ(2015年1月13日) 去年、初めて出版した本を追加内容ふくめ手直し。 軽微な変更なので、今回は値段はそのまま。 購入済みの方が改訂版を自動で取得する機能は、 今のところAmazon...
日本の美意識

東京の中心が「空っぽ」の不思議

皇居の西側をお花見さんぽ。「桜だもん」という名に惹かれて、桜田門から歩いてみたが、実際に桜が増えるのは半蔵門あたりからというドジっぷり。 堀の向こうには未開発の広大な土地が広がっている不思議。世界の大...
日記と雑談

目黒川の桜。まもなく寿命が来てしまう…

目黒駅から池尻大橋駅を目指して目黒川沿いをお散歩。Googleマップでは徒歩50分くらいと表示されたけど、中目黒駅周辺が混み合っていて約70分の旅になった。 川沿いにソメイヨシノ(染井吉野)がたくさん...
日本の美意識

日本最古の花見と桜歌/日本書紀「履中紀」「允恭紀」

日本の文献で最初に「桜」の美意識が現れるのは、「日本書紀」の12巻「履中紀」と13巻「允恭紀」。「履中紀」には最古の花見の記録がある。「三年の冬十一月の丙寅朔辛未に、天皇、兩枝船を磐余市磯池に泛べたま...
日本の美意識

新古今和歌集の桜歌/無常と面影

古今和歌集(905)から時代を下ること300年。 鎌倉時代初期に完成したのが新古今和歌集(1205)。 桜の和歌に込められた想いを辿ると変わったなぁ、という印象。古今和歌集の桜歌(13/03/18) ...
日本の美意識

古今和歌集の桜歌

古今和歌集の桜歌を気ままに編集。 まずこの時代の代表的な桜歌といえば在原業平(古今集53)の世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし桜が散ってしまう事へのドキドキ感を表した名歌。 ち...