アメリカとローマ帝国衰亡の類似点

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ローマ史について手元の本を読み直してみると、
ありきたりだがアメリカと重ね合わしてみたくなってしまう。

目にとまった記述をいくつかメモ。

ローマ帝国衰亡史の冒頭文と現在のアメリカの類似点

リーマン・ショックが起きる半年ほど前に読んだ、
バンガードの創設者ジョン・ボーグル氏の「米国はどこで道を誤ったか」。

この本はローマ帝国の衰亡とアメリカの類似点を指摘するところからはじまる。

エドワード・ギボン「ローマ帝国衰亡史」

「西暦2世紀、ローマ帝国には地上でもっとも豊かな地域があり、もっとも洗練された人々がいた。広大な帝国の国境は、規律があり勇敢なことで知られる軍隊に守られていた。法律と文化が穏やかながらも強力な影響をもち、属領の統一を徐々にもたらしていた。平和を好む住民は富を楽しみ、あるいは贅沢にふけった。自由な政体の概念は尊敬を持って維持されていた。ローマ帝国はその後衰退する。いつまでも記憶される変転であり、いまも諸国に意識されている。

ジョン・ボーグル「米国はどこで道を誤ったか」

「20世紀が終わるころ、アメリカ合衆国には地上もっとも強力な地位があり、もっとも豊かな人々がいた。国境は二つの大洋に守られ、その価値と理念は、他国の人々の尊敬と、羨望と、反感を同時に招いていた。その法律と、所有権と、風習と、事業組織と、金融機関とは、穏やかながら強力な影響力をもち、全体が国力を生み出していた。平和を好む住民は富を楽しみ、あるいは贅沢にふけった。自由な政体は段階的に州の連合を強化し、尊敬をもって維持されていた。」

太字の部分が「ローマ帝国衰亡史」のみにあり、後の記述はほぼ同じ。
アメリカがローマと同じ道を歩まないためにはどうすればいいのか?
それがこの著書をはじめて、晩年のボーグル氏の関心事だった。

異民族を完全に受け入れるまでにかかる期間

本村凌二教養としての「ローマ史」の読み方では、
ローマとアメリカに関する面白いデータを紹介している。

「アウグストゥスが初代皇帝になってから、異民族であるセプティミウス・セウェルスが皇帝になるまでの期間が220年。面白いことにこれは、アメリカの初代大統領ワシントンから、アフリカにルーツを持つバラク・オバマ氏が大統領になるまでの期間と同じなのです。民族の壁を乗り越えるには、それぐらいの年月がかかるということなのかもしれません。」

移民問題が生じるタイミング

また本村氏は今のアメリカのメキシコからの移民問題は、
ローマ末期のゲルマン人の問題と似ていると指摘している。

「ローマもゲルマン人が少数であったときは、余裕を持って受け入れていたものが、数が急増し、ローマの内部深くにまで彼らが入って来たことで、文明の衝突が争いへと発展しています。しかし、古代末期を研究する人々の間で、この問題は、入って来た側にあるのではなく、受け入れる側の変質にこそ、問題の本質があるという見方がクローズアップされてきています。つまり相手に対するまなざしが、寛容から非寛容へと変化することが、争いの原因だという考え方です。」

ただローマ人が非寛容になった背景として「キリスト教」をあげている。
当初は多神教文明ゆえに様々な民族を受け入れることができたが、
一神教が広まる中で人々の寛容さが変質していったのでは?と指摘していた。

教養としての「ローマ史」の読み方
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