お薦めの本

日本の美意識

加藤周一「日本文化における時間と空間」

NHK「あの人の本棚」で鈴木敏夫さんが紹介されていて、愛読書の一つとして加藤周一の著作をあげていた。この機会に読んでみたのが、 加藤周一「日本文化における時間と空間」2008年に亡くなった著者が200...
お薦めの本

スーザン・ストレンジの予言的警鐘。カジノ資本主義、マッド・マネー。

先月収録したrennyさんとのポッドキャストの中で、スーザン・ストレンジ(1923~98)の本について触れた。でも私自身も内容を忘れかかっていたので、この機会に再読した。2冊の本の内容を簡単に紹介する...
お薦めの本

オスマン帝国滅亡から約100年。荒れに荒れる旧支配地。

1922年にオスマン帝国が滅亡してから約100年。ふと気がつくと近年の目に付く紛争のほとんどは、旧オスマン帝国の支配していた地域で起きているような…調べてみたら想像以上に多くて驚きだった。バルカン半島...
お薦めの本

ニクソン・ショックからの数年を学ぶ/西野智彦「ドキュメント 通貨失政」

2025年4月のトランプ関税は経済秩序の改変を狙ったもの?1971年8月のニクソン・ショック以来の経済史における大事件?そんな仮説をもとに1970年代を振り返ることのできる本を探し、西野智彦「ドキュメ...
お薦めの本

作家の執筆環境(ハード・ソフト)/本の雑誌2025年3月号

たまたま見つけた「本の雑誌(2025年3月号)」。特集記事「私はこれで書きました。」が読んでみたかったのだ。作家のみなさんが現在、どんなツールで原稿を書いているのか?以下のような構成になっている。 北...
お薦めの本

音声メディアの可能性/冨山雄一「今、ラジオ全盛期。」

ラジオとは無縁の人生を送ってきたので、 冨山雄一「今、ラジオ全盛期。」というタイトルに、なんだ?と興味を持って読んでみた。2024年2月に開催のオールナイトニッポンの特別イベントに、 東京ドームに、5...
お薦めの本

鈴木俊貴「僕には鳥の言葉がわかる」

鈴木俊貴さんはシジュウカラの研究を通じて、「動物言語学」という新たな分野を立ち上げた人物。私も3年前に初めてこの研究を知って、とんでもなく驚いた。つい最近まで、言語学者と動物学者の共通認識は、 動物の...
お薦めの本

21世紀の本をめぐる環境の激変/ジョン・B・トンプソン「ブック・ウォーズ」

デジタル革命が書籍関連ビジネスに与えた衝撃を描いた、 ジョン・B・トンプソン「ブック・ウォーズ」2025年1月に日本語訳が出版されたが、原書は2021年出版で事例やデータは2018~19年。以下のよう...
お薦めの本

生産性の低さが日本経済停滞の原因ではない/河野龍太郎「日本経済の死角」

毎年年末に経済書の良書がランキング化されるが、これは必ず上位にランクするであろう一冊。 河野龍太郎「日本経済の死角」日本経済が長期停滞を脱するために労働生産性の向上を!こく説明がされることが多々あるが...
世界を読み解く方法

探究人がAI時代に生き残る?/今井むつみ「学びとは何か」

副題の「探究人になるために」に目を引かれて手に取ると、なんと尊敬する羽生善治さんが前文を寄せている本だった。 今井むつみ「学びとは何か」岩波新書から2016年に出版された本に今ごろ気が付いた。赤ん坊の...
お薦めの本

今こそ読みたい!「中学生から知りたいパレスチナのこと」

中東でのイスラエルの侵略戦争が停戦合意に達した。今、学ばなければ、このまま他人事として忘れてしまう…そんな危機感を覚えて、手に取った一冊が素晴らしかった。 岡真理、小山哲、藤原辰史「中学生から知りたい...
お薦めの本

資本主義は料理と同じくらい重要/ヨハン・ノルベリ「資本主義が人類最高の発明である」

資本主義について考えようとして、本を探して読んでいると、資本主義批判の本ばかりになってしまって、バランスが悪い。ただ賛成するよりも批判した方が目立ちやすいから出版されにくい。そんな今の世の中で、裏付け...
お薦めの本

ロバート・ライシュ「コモングッド」

ロバート・ライシュと言えば「暴走する資本主義」を思い出す。たしかリーマン・ショック直前の頃に読んだのだと思う。十数年も前なので、内容を正確に思い出せない。ただ誰もが投資家・従業員・消費者の立場を持って...
情報と知性

文字、索引、Google、AIに対する懸念はすべて同じ/デニス・ダンカン「索引の歴史」

この世のすべての情報に索引を付ける。それがGoogleが目指していることだと捉え、書物における索引の歴史を読み解けば、何かが見えそうだ。 デニス・ダンカン「索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明」索引は...
お薦めの本

「バカの研究」と伊達政宗の遺訓

遊び人を極めて賢者になりたい!と願うも、現実世界はドラクエⅢの転職システムのようにはいかない。ならばせめて、社会の害悪になるようなバカにはなりたくない。そんなことを考えた時に出会った、ちょうどいい本。...
お薦めの本

読んだ本と振り返る2024年

これまでは年に何冊の本を読むのか、正確な数字は把握しておらず、「図書館で借りるのが200冊くらい、あと購入と再読で30~40冊かな?」ぐらいの受けごたえをしてきた。でも今年から図書館のWebサイトから...
情報と知性

ピーター・バーク「博学者 知の巨人たちの歴史」

株式投資を本業とし、余裕ができる時間を読書に充てれば、「博学者」や「知の巨人」への道が拓けるかも?なんてことを密かに思ってから10年以上が経過しているが、橋にも棒にも引っかからず、単なる趣味人どまりの...
お薦めの本

色あせ始めた? カーネマン「ファスト&スロー」

ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」。著者がノーベル経済学賞を受賞したことで、今度も読みつがれる名著になるだろうと思っていたが…。最近、立て続けにその内容に疑問を呈する本に出会った。 スチュアー...
お薦めの本

本村凌二「教養としての世界史の読み方」を文庫本で再読。紙の本がオススメ!

2018年に電子書籍で読んで感銘を受けた、本村凌二「教養としての世界史の読み方」が、文庫化されていたので、この機会に再読した。記憶が曖昧だが「教養」や「リベラルアーツ」という言葉が、書店で目につくよう...
お薦めの本

価値とは何か?/森博嗣「お金の減らし方」

価値(企業価値)と価格(株価)の差異に探すのが投資家の営みだから、「価値とは何か?」についての哲学的な考察を追い求めている。今回たまたま、森博嗣「お金の減らし方」の中にそれを見つけた。この本を手に取っ...