「木を見て森を見ず」どんな分野でもよくある失敗。
じゃあその呪縛から逃れるのはどうすればいいの?
そんな疑問に対する答えをトップクラスの勝負師に求めてみた。
まずは、将棋の羽生善治「決断力」P62,63 から。
全体を判断する目とは、大局観である。1つの場面で、今はどういう状況で、これから先どうしたらいいのか、そういう状況判断ができる力だ。本質を見抜く力と言ってもいい。その思考の基盤になるのが勘、つまり直感力だ。直感力の元になるのは感性である。
将棋にかぎらず、ぎりぎりの勝負で力を発揮できる決め手は、大局観と感性のバランスだ。感性はどの部分がプラスに働くというのではなく、読書をしたり、音楽を聴いたり、将棋界以外の人と会ったり…というさまざまな刺激によって、総合的に研ぎ澄まされていくものだと思っている。
世の中「手に職を」と叫ばれた時代もあったけど(まだ続いてる?)、
専門分野にどっぷり浸かる事の弊害を訴えているようにも見て取れる。
次は、チェスのガルリ・カスパロフ「決定力を鍛える」P342
全体を見る力を養うには、実践を積み、ある程度無心になることが求められる。ひとつの問題にとらわれた場合、真っ先に失われるのは、その問題を状況に照らしてみる能力だ。細部にのめりこむあまり、必要に応じて視点を変えられなくなってはいけない。
実世界で大局的な思考をするには、さまざまな要素を相互のつながり方や、そのつながりの推移を含めて見ることが必要になる。長期的な利益と引き換えに短期的な損失を受け入れられることがその思考を会得したしるしのひとつだ。
投資に生かすのなら、カスパロフの言葉の方に重みがあるかな。
コメント
>世の中「手に職を」と叫ばれた時代もあったけど
今は、手に「様々な」職をという時代ではないかと思います。フューチャリスト宣言という茂木さんと梅田さんの対談本を読んで、はたとひざを叩いた(実際には叩いてないのだけれど)気がします。
ただ、人よりも詳しいからこそ、その知恵に対してお金がもらえる、
というのが基本であることも確かなんですよね。
まぁいろいろなものに興味を持って、楽しく生きてればそれでいいのかなぁ(笑)