文化で読む日本経済

日本の美意識

日本が得意とする創造法。まねる、くずす、みたてる、かさねる。

日本は少子高齢化やデフレ等々、課題先進国家だから、世界のモデルになれるはず!なんて話を昔はよく見聞きした。でも、世界に先駆けて何かを示すことができただろうか? 明治維新以降、欧米の背中を追いかけるばか...
お薦めの本

「経済」の語源は「経世済民」(世をおさめ、民をすくう)

松岡正剛の新刊「日本文化の核心」に、経済にまつわる言葉の語源が紹介されていて興味深い。 まずは「経済」。 この言葉はもともとは「経世済民」の省略語で、「経世」は荘子、「済民」は書経からとられたものだっ...
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家計貯蓄率の国際比較 1989~2018年

OECDのデータを紹介したこの記事が引用されることが多いので更新。平成元年の1989年からの30年間のデータで編集しなおした。なぜかイギリス、フランスのデータは2015年で途切れてしまっている。 主要...
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現在の課題や将来の不安が文明発展の源

3月27日のランチ会での論点補足 日本は課題が山積みで将来を不安視する人が多く、それは遺伝子的な影響が大きいと考えられる。→関連記事 しかしそのおかげで勤勉な国民性を手にすることができた。 もし日本が...
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貧困救済に対する冷たさは日本の歴史的特徴/木下光生「貧困と自己責任の近世日本史」

歴史は時に残酷な事実を突きつけることがある。木下光生「貧困と自己責任の近世日本史」がその代表例と言え、 「21世紀の日本は、なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己...
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日本の「支払い」は「お祓い」だった/田中優子&松岡正剛「日本問答」

日本ではまだ投資が敬遠されているところがある。 もちろんそれは金融機関の販売姿勢にも問題があるけど、 義母が仕組債を買わされた。西日本シティTT証券がヒドい! 日本人の文化的・精神的な特性からその理由...
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鎌倉・室町時代の不動産価格と金融政策

鎌倉・室町時代の不動産売買について調べてみたら、 当時の金融政策の迷走など、いろいろ広がったのでメモ。 現代と変わらぬ側面としては、 不動産価格は加地子(=小作料)の収益還元法で求められていたと想定さ...
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奈良・平安時代に貨幣経済が定着しなかったワケ

日本で本格的に貨幣が鋳造されたのは8世紀前半。でも物々交換から貨幣経済へ以降を始めるのは14世紀頃。 なんでこんなに間が空いてしまったのか?その原因は急激なインフレと貨幣政策の失敗にあるようだ。 日本...
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格差解消のための徳政令/岩波講座 日本経済の歴史

岩波書店から全6巻の「日本経済の歴史」の発行がはじまり、今月発売の第1巻(11世紀から16世紀後半)を読み始めた。 借金帳消しの「徳政令」は格差解消のためだったという話から、頭の中でいろいろつながった...
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江戸女性が憂う経済倫理/只野真葛「独考」

江戸時代の日本の女性が知識レベルが高かったことは、幕末に来日したシュリーマンの旅行記にも現れている。 「教育はヨーロッパ文明国家以上にも行き渡っている。シナを含めてアジアの他の国では女たちが完全な無知...
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効率性への不感症は日本の伝統?/ツュンベリー「江戸参府随行記」

師匠が大雪の日の混乱について書いたコラムを読み、 私もこの痛ましいほどの出勤意欲を不思議に思っていた。 大雪の日に考えた~出勤トリアージュ(河口真理子) なんとか出勤しても疲れて仕事にならないだろうに...
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古代日本は社会的投資の先進国家。だがその後は?

社会的投資の普及や研究を進める「ARUN Seed」の記事で、 日本の社会的インパクト投資は奈良時代から存在した?! ブログの過去記事を紹介してもらった。 この機会にその後考えたことを踏まえ、頭の中を...
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地政学的要衝としての日田(大分)

江戸時代の幕府直轄領(天領)を眺めていて、 その多くは経済的な重要な地域としてピンとくるけど、 ここはなんでだ?と思ったのが大分の日田。 九州の内陸にあって特別、鉱山があるわけでもない。 調べてみると...
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家康の夢が実現?/鵜飼秀徳「寺院消滅」

かつて仕事で付き合いのあった同世代の方が、 奥さんの実家のお寺を継ぐべくお坊さんの修行を始めたらしい。 彼のお寺はたしか都心だったから大丈夫だろう。 東京都の人口10万人あたりの寺院数は全国で3番目に...
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時間の共有が日本の成功要因/角山栄「時計の社会史」

11時45分! 12時が迫ることに気付いたシンデレラは舞踏会を後にする。 「シンデレラ」は「眠れる森の美女」や「赤ずきんちゃん」とともに、 17世紀にシャルル・ペローがまとめたヨーロッパの民話。 この...
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日宋貿易の輸出品・輸入品

道元の「典座教訓」に描かれたシイタケの話から、 干ししいたけが日本の輸出品だったのかも?と調べてみたら、 日宋貿易の輸出品として登場していたことが分かった。 ※小川武廣「乾しいたけ」に記述あり。 その...
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日本人は昔から「おカネ」に執着(日本霊異記)

渡辺京二「逝きし世の面影」。 これがとんでもない名作であるがゆえに、 幕末以降、日本人の気高い精神性が失われた。 というような指摘をする人もいるけどウソ。 鎌倉時代の兼好法師「徒然草」 江戸時代の井原...
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無縁を望んだ象徴が神のかたち

無縁。 世俗と縁の切れた立ち位置は、かつての理想だった。 無縁は中世の理想郷/徒然草211段 どこの共同体にも属さず、主従関係などもない無縁。 ふと考えれば、それが日本人が神に託した形でもあった。 特...
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幣(ヌサ)が雷を呼び、虹を渡って神がやってくる

古代の日本人は「音」にとても敏感だった。 漢字の音合わせ、なんてのは今でも続いているし、 万葉仮名の伝統。ラモス瑠偉、キラキラネーム… 長らく無文字社会だったため、 人が口から発する「音」に霊力が宿る...
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倹約は創造的な努力/石田梅岩「都鄙問答」

現代の日本人は経営学というと、すぐにアメリカに目を向けてしまう。 でも日本には、アメリカ建国(1776年)以前に設立の企業が数多い。 たとえば日本の上場企業を設立が古い順ベスト3は、 松井建設(158...