日本の歴史と文化

日本の歴史と文化

日本を動かしてきた「顕」と「隠」

前回に引き続き「日本問答」出版記念対談の復習メモ。顕(あらわるるもの)と隠(かくるるもの)慈円(1155~1225)が歴史の道理を読み解こうとした「愚管抄」に、こんな一節がある。※講談社学術文庫の現代語訳版P394 「物ごとの背後には、目...
日本の歴史と文化

京都と江戸、天皇と将軍のデュアル・スタンダード

昨年岩波新書から発売された「日本問答」の出版を記念した田中優子、松岡正剛 両氏の対談イベントへ参加して、日本を理解するには学びが足りないことを痛感してきた。内容について行けない部分も多かったので、本の内容から補足しながら、講演の内容を少しづ...
お薦めの本

再訪したくなる店の秘密/チャールズ・スペンス「おいしさの錯覚」

食べた料理が記憶に残りやすい店とそうでない店がある。 同じように美味しいはずなのに、それはなぜか? そんな疑問にチャールズ・スペンス「おいしさの錯覚」が科学的に答えていて、 私が繰り返し食べに行く店に当てはまる例が多く、とても興味深い...
食文化と美食探訪

食に対する姿勢の変化

本格的に食に関心を持ったのは2006年。 私が進めていたプロジェクトが大成功したお祝いにと、 日本橋の「メルヴェイユ」でご馳走になったのがきっかけだと思う。 ※現在はメルヴェイユは閉店し、シェフが三越前に「ラペ」を開店。 それ以前は...
お薦めの本

インスタ映えの起源はフランス料理のガストロポルノ?

私たちが味覚だけで食事を味わっているのではないことを科学的に説いた、 チャールズ・スペンス「おいしさの錯覚 最新科学でわかった、美味の真実」。 著者はポテトチップスを噛じる時の音を増幅させると、 実際よりサクサクで新鮮だと感じることを...
日本の美意識

日本人のコミュニケーション能力不足の文化的背景

日本人はコミュニケーション能力が低いとされるが、その原因を日本の文化や歴史に求めることはできるのか? という問いに対して、思いつくままに書き綴ってみる。 言挙げせぬ国 無文字社会が長かった古代日本では言葉の威力が極めて強かった。 人...
日本の美意識

春の雪が豊作を約束? 勅撰和歌集も春の雪で景気づけ。

「さくら」の語源は、 「さ」…稲の精霊を表す「くら」…神が座する場所 であり、 春の訪れとともに穀物の精霊が舞い降りる場所が「桜」という説がある。 ゆえに古代人は桜の花の散りぐあいで、秋の豊凶を占っていたという。 先日、東京でも桜...
食文化と美食探訪

味の素をめぐるESG投資と魯山人の言葉

自己流ESG投資で味の素を選んだが… 私が自身の株式投資にESGを組み込んでみようと思ったのは、 2009年末にブルームバーグのセミナーに参加したのがきっかけ。 BloombergのESGデータが凄すぎる!(2009/12/22)...
お薦めの本

魯山人、家庭料理の大切さを説く。/山田和「魯山人 美食の名言」

北大路魯山人は伝説の高級料亭「星岡茶寮」のイメージから、 たいそう豪華な食生活を送っていたように思われるが、 「手のこみ入ったものほどいい料理だと思ってはいないか。高価なものほど、上等だと思っていないか。」 という言葉が表すように、 手...
食文化と美食探訪

食への探究心の賜物! 益田鈍翁の茶懐石。

先日のセミナーで磯田道史さんが、 菊乃井・村田吉弘さんがこんな話をしていたと紹介。 「上等な料理とは料理に対する考えや工夫が上等であること」 ただ高価な食材を使っただけでは上等な料理とは言えない。 その言葉にふと益田鈍翁(1848~...
食文化と美食探訪

鰻の料理史から見る料理文化の広がり(磯田道史さんの講演を中心に)

1月19日に味の素食文化センターで開催された 「江戸書物から読み解く庶民の食べ物と生活」。 磯田道史さんの講演「鰻の料理史」を中心にその内容を編集。 庶民が鰻のかばやきを食べるまで 万葉集に収録される奈良時代の歌人、大友家持(718...
日本の歴史と文化

多神教で評判が大切な日本。普遍的な枠組みへの適応は苦手。

ESG投資、スチュワードシップ・コード、SDGs、コーポーレードガバナンスなど、 国内の企業や投資家が海外からもたらされる基準や枠組みにオロオロしている。 いわゆるグローバル・スタンダードに振り回されているわけだが、 どうしていつも普...
日本の美意識

古今和歌集から笈の小文へ受け継がれる美意識

日本の思想・哲学の源流を求めると、 紀貫之が書いたとされる「古今和歌集」の仮名序にたどり着く。 「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものに...
日本の歴史と文化

朱色の原料は硫化水銀。空海は水銀狙いで高野山へ?

伏見稲荷大社の異空間を演出する朱色の鳥居。 朱色は魔除けや不老長寿を象徴する色として、 古代より宮殿や神社仏閣に多く用いられてきた。古典を読み解けば、古事記や風土記の中に登場する 「血原」「血浦」「血田」と名付けられた地は 水銀の産...
食文化と美食探訪

2017年 美食の旅

美味しいものをたくさん味わうことができた幸せな一年だった。 Google カレンダーで訪問店や出かけた回数を集計してみると、 2015年あたりから急激に増えているのは妻と出会えたおかげ。 しかし今年は運用が好調だったから調子に乗っ...
日本の歴史と文化

日本文化の本質は何か?/シンポジウム「日本文化の展望」

今日は京都府・京都市・京都商工会議所が主催するシンポジウムに参加。 文化庁の京都から東京への移転が決定したのを記念したもの。 「吉田兄弟」の弟・吉田健一さんの津軽三味線の演奏で幕開け。 生で初めて聴いたけど、なるほどロックな三味線は、...
文化で読む日本経済

日本の「支払い」は「お祓い」だった/田中優子&松岡正剛「日本問答」

日本ではまだ投資が敬遠されているところがある。 もちろんそれは金融機関の販売姿勢にも問題があるけど、 義母が仕組債を買わされた。西日本シティTT証券がヒドい! 日本人の文化的・精神的な特性からその理由を読み解けないかなと。 以前、知...
日本の歴史と文化

老舗の語源は「仕似せる」

老舗の語源は「仕似せる」という動詞なのだそうだ。 日本の古典にも次のような例があり、 「かようの万物の品々をよくし似せたらんは、幽玄の物まねは幽玄になり、強きは自ら強かるべし」(風姿花伝) 「譲状にて家督請取、仕にせおかれし商売」(日...
お薦めの本

英語のキーワードは「港」。日本語は「家」?/田中優子&松岡正剛「日本問答」

昨日から読み始めた対談本。このおふたりの組み合わせなら、おもしろくない訳がない。 語源の話についてメモメモ。 まず英語の「港」"port"の語源に着目し、 「"port"という言葉はヨーロッパの交易の核心だけでなく民族と民族、都市...
文化で読む日本経済

鎌倉・室町時代の不動産価格と金融政策

鎌倉・室町時代の不動産売買について調べてみたら、 当時の金融政策の迷走など、いろいろ広がったのでメモ。 現代と変わらぬ側面としては、 不動産価格は加地子(=小作料)の収益還元法で求められていたと想定される京都が位置する山城国が最も価格...