花火の古典を眺める/和漢三才図会、花火秘伝集

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気まぐれでネット上で閲覧できる花火の古典に触れてみた。

前にも図解したように、戦国時代の鉄砲鍛冶のなかには、

平和な時代に合わせて花火職人へ転身した者がいたようだ。

※例:株式会社國友銃砲火薬店ウェブサイト

ただし日本が特別、花火の技術が進んでいたわけではなく、

1748年にヘンデルが作曲した組曲「王宮の花火の音楽」は、

オーストリア継承戦争終結を祝う花火大会に合わせて演奏されている。

和漢三才図会(1712年)

1712年頃に出版された百科事典「和漢三才図会」。58巻に花火の記述がある。

国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる。

この絵から判断できるように当時の花火は「打ち上げ」型ではない。

「線香花火」や「ねずみ花火」の作り方が半分を占めることから、

この当時の花火は、今のおもちゃ花火程度のものだったようだ。

花火秘伝集(1817年)

和漢三才図会から約100年。

1817年に出版された「花火秘伝集」には「上げ物」の部があり、

いよいよ打ち上げ花火の記述が現れる。

早稲田大学図書館の古典籍総合データベースで閲覧できる。

竹筒に火薬を詰めて打ち上げていたのか。

オマケで花火秘伝集の冒頭にはこんな記述がある。

「春は花、秋は月、冬は雪、これらに花火を加えて夏の景物とする。花火は花、もみじ、月、雪の風情を一度に見られるものだから。」

この頃すでに花火に魅せられていたということだね。

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