日本の歴史と文化

食文化と美食探訪

奈良・美食探訪2018

蕎麦懐石「玄」 昨年とても感銘を受けた奈良の蕎麦懐石「玄」。奈良で蕎麦の求道者に出会い、江戸時代の「蕎麦全書」を読む。(17/04/18)その後、何かのテレビ番組で、市川海老蔵(11代目)がここを訪れ、生前の市川團十郎 (12代目)が認め...
食文化と美食探訪

日本料理と正法眼蔵の「龍吟」

その名はよく耳にするが、まだ未開拓の日本料理の名店「龍吟」。最近は龍吟出身のシェフの店も名店として知られるようになり、スリオラ(スペイン料理)茶禅華(中華料理)ヒロヤ(フランス料理)ジャンルを超えた広がり方が不思議だ。そういえば道元の「正法...
日本文化探究の旅

仙洞御所の一升石は贅沢すぎる?

1630年に後水尾上皇の御所として完成した京都御所内の仙洞御所。 仙洞とは仙人の住処のことで、天皇を退位した上皇や法皇の御所を指す。 御所そのものは焼失し、現在は小堀遠州による庭園が残されているが、手間のかけ方に驚かされる一角があり、な...
日本文化探究の旅

平安時代の道幅を体感できる櫛笥小路

平安京遷都直後の796年に造営がはじまった東寺。現在の京都は御所をはじめ中心が東にずれてしまっているが、東寺は創建当初と変わらぬ場所にそのまま残っている。しかし一番の見所は国宝の五重塔や金堂よりも「道」だった。東寺の北大門をくぐると、現れる...
日本の歴史と文化

浄土式庭園の延長線上に仏壇がある?

そもそも仏壇とは何か? ごく簡潔にまとめるのなら、お寺を小さくしたもので、浄土へつながる「どこでもドア」の役割を果たすもの。日本の仏壇の原型は、法隆寺の「玉虫厨子」と言われているが、広く一般に普及しはじめるのは、戦国時代から江戸時代の以下の...
万葉集

あおによし奈良の都の咲く花…そんな読み方もあるのか!

奈良を詠った万葉集の和歌。 あをによし 奈良の都は 咲く花の にほうがごとく 今盛りなり ここで詠まれている「花」は何の花を指しているのか?小野妹子のひ孫にあたる小野老(おののおゆ/生年不詳~737年頃)が、大宰少弐として大宰府に派遣さ...
日本文化探究の旅

平城宮跡資料館の解説ボランティアがスゴイ!

円成寺、浄瑠璃寺を巡って奈良の中心部に戻り、時間が余ったので平城宮跡にも足をのばしてみたところ、平城宮跡資料館でスゴイ人に出会った。たまたま解説をお願いしたボランティアガイドの川向さん。より伝わりやすい解説を目指して、伝統技法を自分の目で確...
日本文化探究の旅

伽藍と仏像の東西南北(浄瑠璃寺・法隆寺・唐招提寺)

旅立つ前に仏の東西南北の位置関係を学んだ上で、北…弥勒菩薩(兜率天浄土)南…釈迦如来(霊鷲山浄土)西…阿弥陀如来(極楽浄土)東…薬師如来(瑠璃光浄土)京都と奈良の県境近くにある浄瑠璃寺を訪ねた。 浄瑠璃寺の伽藍配置 池を中央にして東に薬...
日本の神様と昔話

平安時代の浄土思想ブーム。往生要集と末法思想が火をつけた。

浄土式庭園の代表例とされる平等院と浄瑠璃寺を訪ねる前の予習に、 平安時代の浄土思想について頭の整理をしている。 浄土ブームの火付け役は源信 天台宗出身の恵心僧都源信が「往生要集」を著し(985年)、 「厭離穢土・欣求浄土(おんりえど...
日本の神様と昔話

国引き・国造り・国譲りの出雲神話は日本モデルの原点

出雲国風土記には次のような国引き神話が記されている。 八束水臣津野命(ヤツカミズオミツヌノミコト)という神が、八雲立つ出雲の国を大きくしようと、新羅で余っている土地に網をかけて、「国来、国来」と引き寄せたのが島根半島西部(八穂米支豆支の御...
文化で読む日本経済

貧困救済に対する冷たさは日本の歴史的特徴/木下光生「貧困と自己責任の近世日本史」

歴史は時に残酷な事実を突きつけることがある。木下光生「貧困と自己責任の近世日本史」がその代表例と言え、 「21世紀の日本は、なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追求する社会となってしまったの...
日本の神様と昔話

神社の社(やしろ)を素因数分解

日本の神祇信仰は山頂・山中の磐座に霊力を感じたり、神体山の姿に威力を感じたりしたことから始まっており、そうした神の影向を感じる特定の場所を「依代」と呼んだ。依…そこへ依って来る代…神の代わり依代が決まると「御幣」を飾り、結界を示す四囲四方の...
日本の歴史と文化

日本文化の根幹を担う、価値観が複合する言語感。

なかなか終わりの見えない復習メモ。京都と江戸、天皇と将軍のデュアル・スタンダード日本を動かしてきた「顕」と「隠」日本で庭造りが重視され続けてきた訳。神庭、斎庭、市庭。 に続く4作目。 「メビウスの輪」のように表が裏であり、裏が表でもある...
日本の神様と昔話

日本で庭造りが重視され続けてきた訳。神庭、斎庭、市庭。

さらに続く対談の復習メモ。江戸時代の大名屋敷の名残りもあり、東京は世界で最も庭園の多い都市と言われているらしい。歌川広重の「名所江戸百景」では、その8割に水が描かれたこと欧州の名所はモニュメントがセットなのに対し、日本は景色のきれいなだけの...
日本の歴史と文化

日本を動かしてきた「顕」と「隠」

前回に引き続き「日本問答」出版記念対談の復習メモ。顕(あらわるるもの)と隠(かくるるもの)慈円(1155~1225)が歴史の道理を読み解こうとした「愚管抄」に、こんな一節がある。※講談社学術文庫の現代語訳版P394 「物ごとの背後には、目...
日本の歴史と文化

京都と江戸、天皇と将軍のデュアル・スタンダード

昨年岩波新書から発売された「日本問答」の出版を記念した田中優子、松岡正剛 両氏の対談イベントへ参加して、日本を理解するには学びが足りないことを痛感してきた。内容について行けない部分も多かったので、本の内容から補足しながら、講演の内容を少しづ...
お薦めの本

再訪したくなる店の秘密/チャールズ・スペンス「おいしさの錯覚」

食べた料理が記憶に残りやすい店とそうでない店がある。 同じように美味しいはずなのに、それはなぜか? そんな疑問にチャールズ・スペンス「おいしさの錯覚」が科学的に答えていて、 私が繰り返し食べに行く店に当てはまる例が多く、とても興味深い...
食文化と美食探訪

食に対する姿勢の変化

本格的に食に関心を持ったのは2006年。 私が進めていたプロジェクトが大成功したお祝いにと、 日本橋の「メルヴェイユ」でご馳走になったのがきっかけだと思う。 ※現在はメルヴェイユは閉店し、シェフが三越前に「ラペ」を開店。 それ以前は...
お薦めの本

インスタ映えの起源はフランス料理のガストロポルノ?

私たちが味覚だけで食事を味わっているのではないことを科学的に説いた、 チャールズ・スペンス「おいしさの錯覚 最新科学でわかった、美味の真実」。 著者はポテトチップスを噛じる時の音を増幅させると、 実際よりサクサクで新鮮だと感じることを...
日本の美意識

日本人のコミュニケーション能力不足の文化的背景

日本人はコミュニケーション能力が低いとされるが、その原因を日本の文化や歴史に求めることはできるのか? という問いに対して、思いつくままに書き綴ってみる。 言挙げせぬ国 無文字社会が長かった古代日本では言葉の威力が極めて強かった。 人...