日本の歴史と文化

日本の歴史と文化

大権現として祀られた家康信仰の穴/末木文美士「日本宗教史」

徳川家康の死後、家康をどう「神君」化するか? 金地院崇伝と天海が議論の末に選択した方法が、 後に明治時代の国家神道がスムーズに受容される土台になった? そんな説を末木文美士「日本宗教史」の中に見つけて...
お薦めの本

浜田岳史「美食の教養」 食を知的に楽しむための必読書!

いつからか「教養としての〇〇」「○○の教養」と名の付く新刊書が増えた。 「教養」という言葉につられて私も結構な冊数に目を通してしまったが、 ほとんどが教養につながるのか理解不能な、タイトル負けした本ば...
日本の歴史と文化

日本の音読から黙読への転換は明治時代?

その昔、マクルーハン「グーテンベルクの銀河系」が、 活版印刷術の登場が音読から黙読への転換点との指摘に出会い、 日本のはいつ頃なのかな?と調べても、よくわからなかった。 音読社会から黙読社会への転換点...
文化で読む日本経済

信貴山縁起絵巻の「空飛ぶ倉」に思う

宇治拾遺物語をパラパラめくり「信濃国聖事」に目がとまる。 この一節は「信貴山縁起絵巻」で漫画化されているんだよね。 ※詳細はwikipediaを参照 信貴山の命蓮、山崎の長者、都の醍醐天皇の三角関係が...
文化で読む日本経済

「国家」という不思議な言葉

国家。 国の家、家の国…。なんだか不思議な言葉だ。 国家を表す英語の語源を調べてみても、家の要素はない。 country … ラテン語の「contra(反対)」から派生した古フランス語の「cuntré...
食文化と美食探訪

美味学の永遠の基礎/ブリア・サヴァラン「美味礼讃」

レベッカ・L・スパング「レストランの誕生」で、 18~19世紀のレストラン事情に触れたら、 ブリア・サヴァランの「美味礼讃」を読み返したくなった。 現在、サヴァランといえばケーキ屋のショーケースに並ぶ...
お薦めの本

脇屋友詞「厨房の哲学者」

30代前半の頃、たまたま近くに用事があった帰り道、 あの脇屋シェフの店がこんなところにあるんだ!と出会い、 赤坂の「トゥーランドット 臥龍居」でランチをいただいた。 当時の私は街中華ぐらいしか食べたこ...
日本の歴史と文化

悪のイメージが払拭された北条氏。でも室町初期には高評価。

私だけが勝手に思い込んでいるのかもしれないけど、 鎌倉幕府の北条氏に対するイメージが、 ここ数年でだいぶ変わったような気がするんだよね。 悪役のように扱われていたのが、承久の乱が再評価され、 日本史上...
古今和歌集

生命の存在意義はエントロピー増大を加速すること/池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」

引き続き、池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」に収録された、3日間の講義録のうち3日目を読み終えてメモ。 私たちにはなぜ脳があるのか? 私たちの存在価値は何なのか? 池谷氏の解説が衝撃的な内容だった。...
古今和歌集

古今集・仮名序の末尾が美しい

古今和歌集の仮名序を読み返していて、末尾の美しさに気がついた。 「歌のさまをも知り、ことの心を得たらむ人は、大空の月を見るがごとくに、いにしへを仰ぎて、今を恋ひざらめかも。」 和歌と言の葉の本質を理解...
百人一首

藤原定家は百人一首の編者ではない?/田渕句美子「百人一首」

百人一首は和歌の魅力が凝縮された不思議な歌集。 鑑賞本が出版されるたびに買ってしまうのだけど、 今回手にしたのは最新研究も紹介された一冊。 田渕句美子「百人一首 編纂がひらく小宇宙」 日本人で知らない...
日本の神様と昔話

荏原七福神めぐり

久しぶりに新年の七福神めぐりをしてみた。 2015年の港七福神以来なのでなんと9年ぶり。 今回は品川区の7つの寺社をめぐる荏原七福神。 駅でキャラクター七福神なるチラシを手にしたのがきっかけ。 かわゆ...
食文化と美食探訪

2023年の美食探訪

家計簿をまとめていて。ありゃりゃ!と思ったこと。 外食に出かけた回数は2019年の頃に戻りつつあるが、 物価上昇の影響もあり、今年の外食費は2019年比で6割増。 年間の総支出は2019年比で約1割増...
食文化と美食探訪

イチゴのショートケーキは日本文化の象徴?!

クリスマスと言えば、イチゴのショートケーキ。 そんなショートケーキの由来に驚いたことがふたつ。 まずは日本生まれのケーキということにビックリ! 考案者と伝えられるのは次の2人。 「不二家」創業者の藤井...
食文化と美食探訪

国立科学博物館の特別展「和食」

国立科学博物館で開催中の特別展「和食」を鑑賞。 とても良かったので、公式ガイドブックも買った。 「科学」博物館だから最初の展示は「水質」。 日本は基本的に軟水だが、水の硬度には地域差がある。 熊本県(...
食文化と美食探訪

和食の無形文化遺産登録から10年。何が変わった?

和食のユネスコ無形文化遺産登録10周年を記念して開催された、 日本料理人によるパネルディスカッションをオンライン視聴。 パネリストが超豪華。 髙橋拓児さん(「木乃婦」三代目) 中東久人さん(「美山荘」...
日本の神様と昔話

仏教伝来。どう受け入れたか? 今も変わらぬ日本的方法。

仏教が伝来した当時の日本人の反応が興味深い。 海外からの新しい潮流に対して、どんな行動をとりがちなのか、 今でも変わらない日本の源流が、ここにあるように思える。 仏教伝来。天皇が仏の姿に戸惑う。 日本...
食文化と美食探訪

一汁三菜の源流は本当に宴会料理?

一汁三菜の来歴について調べると、以下のような和食の歴史に沿って説明されることがほとんど。 神饌料理(神社の祭礼で神様に捧げる料理) 大饗料理(平安貴族の宴会料理) 本膳料理(室町武士の宴会料理) この...
食文化と美食探訪

辻留・辻嘉一 語録 料理秘伝

そういえば最後に赤坂「辻留」に訪れてから8年以上経つ。その間に魯山人に師事した三代目の辻義一さんは引退し、今は代替わりをされて、四代目は辻家ではない方になっているようだ。 初代・辻留次郎さんが京都で仕...
日本の美意識

語源に学ぶ「しあわせ」のかたち。為合わせ・仕合わせ・幸せ。

中島みゆき「糸」にこんな一節がある。 縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます 「幸せ」ではなく、「仕合わせ」と表現し、 さらに語源をきちんと意識した深いフレ...