日本の歴史と文化

食文化と美食探訪

2024年の美食探訪

今年は44回外食に出かけていて、昨年の52回より減ったけど、支出額がほぼ同じなので、ここからも物価上昇を感じさせられる。ずっと行きたかった「カンテサンス」の予約が取れて今年4月に訪問。でも個室以外は写...
日本の美意識

ドラクエの引き算の美学。リメイクが成り立つ条件。

14日にドラゴンクエストⅢのリメイク版が発売され、小学生の頃のファミコン版以来、36年ぶりに楽しんでいる。ドラクエ制作に潜む、引き算の美学この機会にファミコン版当時の話も見聞きするようになった。特に印...
日本の歴史と文化

装飾古墳は九州独自の文化/河野一隆「装飾古墳の謎」

先日、妻が帰省ついでに熊本の装飾古墳館に立ち寄り、そこでもらったガイドブックを持って帰ってきた。パラパラめくっていて、なんだこりゃ?と首をかしげた。ガイドブックを制作した2012年から2024年までの...
食文化と美食探訪

和食の根幹、ニホンコウジカビ/中島春紫「発酵の科学」

滋賀の湖里庵を訪問したことで発酵に興味がわき、ブルーバックスの中島春紫「発酵の科学」を読んでみた。そこで初めて知った日本特有の麹菌が興味深い。ニホンコウジカビ(アスペルギルス・オリゼー)。日本酒、味噌...
食文化と美食探訪

滋賀の食事文化研究会「ふなずしの謎」

鮒ずし会席の宿「湖里庵」の本棚に並んでいた本。 滋賀の食事文化研究会「ふなずしの謎」宿にちなんだ本、その地域に関連する本は、そこを訪れないと目に留まることのない本だから、旅先で出会う本棚は、知的好奇心...
日本文化探究の旅

西明寺。鎌倉時代建立の本堂の柱に飛鳥時代の仏画?

建造物の国宝指定第一号となった本堂が残る西明寺。土曜日のお昼すぎなのに、参拝者が他に誰もおらず、御住職の解説付きで、ゆっくり国宝を堪能することができた。京都や奈良であれば、人がワラワラいるような場所で...
日本文化探究の旅

金剛輪寺、百済寺。これは信長が燃やすよなぁ…

今日9月30日は織田信長が比叡山延暦寺の焼き討ちした日。信長はこの他にも近江内の寺院を燃やしまくっている。先週訪れた金剛輪寺、百済寺も信長に焼かれており、信長への恨みのこもった解説文が掲示されていた。...
食文化と美食探訪

湖里庵。知的好奇心が暴走する美食・絶景宿!

湖里庵(こりあん)。琵琶湖の北。かつて敦賀からの物資を京都へ輸送する要衝の地だった海津港。そのすぐそばで江戸時代から続く鮒寿し屋「魚治」が営む宿。2018年の台風被害で全壊するが、2021年に復活。2...
日本の歴史と文化

「おくのほそ道」の芭蕉が西行のコスプレ?

私たちがよく目にする松尾芭蕉の絵。「おくのほそ道」を旅する姿を描いたものとされるが、お坊さんでもないのに僧形なのは、西行のコスプレだからだ。そんな主張をする能楽師、安田登さんの本に驚いた。 安田登「本...
世界を読み解く方法

東浩紀「訂正する力」から、文化・投資・人生を考える

先日の収録の際、rennyさんからご紹介いただいた、東浩紀「訂正する力」を読んでみた。気になったポイントをざっとまとめておくと、 「訂正する力」とは、過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を...
めくるめく和歌の世界

納涼の和歌

暑い日々が続き、外に出るのもおっくうなので、後拾遺和歌集と新古今和歌集に、納涼の和歌を探してみた。11~13世紀頃は太陽活動が活発だったため、温暖な気候だったとされる時期。 源氏の復興と奥州藤原氏の繁...
日本の歴史と文化

大権現として祀られた家康信仰の穴/末木文美士「日本宗教史」

徳川家康の死後、家康をどう「神君」化するか?金地院崇伝と天海が議論の末に選択した方法が、後に明治時代の国家神道がスムーズに受容される土台になった?そんな説を末木文美士「日本宗教史」の中に見つけてへぇー...
お薦めの本

浜田岳史「美食の教養」 食を知的に楽しむための必読書!

いつからか「教養としての〇〇」「○○の教養」と名の付く新刊書が増えた。「教養」という言葉につられて私も結構な冊数に目を通してしまったが、ほとんどが教養につながるのか理解不能な、タイトル負けした本ばかり...
日本の歴史と文化

日本の音読から黙読への転換は明治時代?

その昔、マクルーハン「グーテンベルクの銀河系」が、活版印刷術の登場が音読から黙読への転換点との指摘に出会い、日本のはいつ頃なのかな?と調べても、よくわからなかった。 音読社会から黙読社会への転換点(1...
文化で読む日本経済

信貴山縁起絵巻の「空飛ぶ倉」に思う

宇治拾遺物語をパラパラめくり「信濃国聖事」に目がとまる。この一節は「信貴山縁起絵巻」で漫画化されているんだよね。※詳細はwikipediaを参照信貴山の命蓮、山崎の長者、都の醍醐天皇の三角関係が、政治...
文化で読む日本経済

「国家」という不思議な言葉

国家。国の家、家の国…。なんだか不思議な言葉だ。国家を表す英語の語源を調べてみても、家の要素はない。 country … ラテン語の「contra(反対)」から派生した古フランス語の「cuntrée」...
食文化と美食探訪

美味学の永遠の基礎/ブリア・サヴァラン「美味礼讃」

レベッカ・L・スパング「レストランの誕生」で、18~19世紀のレストラン事情に触れたら、ブリア・サヴァランの「美味礼讃」を読み返したくなった。現在、サヴァランといえばケーキ屋のショーケースに並ぶお菓子...
お薦めの本

脇屋友詞「厨房の哲学者」

30代前半の頃、たまたま近くに用事があった帰り道、あの脇屋シェフの店がこんなところにあるんだ!と出会い、赤坂の「トゥーランドット 臥龍居」でランチをいただいた。当時の私は街中華ぐらいしか食べたことがな...
日本の歴史と文化

悪のイメージが払拭された北条氏。でも室町初期には高評価。

私だけが勝手に思い込んでいるのかもしれないけど、鎌倉幕府の北条氏に対するイメージが、ここ数年でだいぶ変わったような気がするんだよね。悪役のように扱われていたのが、承久の乱が再評価され、日本史上、最大の...
古今和歌集

生命の存在意義はエントロピー増大を加速すること/池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」

引き続き、池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」に収録された、3日間の講義録のうち3日目を読み終えてメモ。私たちにはなぜ脳があるのか? 私たちの存在価値は何なのか?池谷氏の解説が衝撃的な内容だった。 私...