宮崎で古墳を巡り、ふたたび関心が古墳への高まったので、
国立歴史民俗博物館が過去に企画展示したときの図録、
「世界の眼で見る古墳文化」を取り寄せた。
王の墓の大きさを世界と比較しても、古墳はかなり巨大で、
また文化庁発表の「平成24年度周知の埋蔵文化財包蔵地数」によれば、
全国に現存する古墳は約13万基と、とてつもない数だ。
そんなわけで国際比較の視点でまとめられた資料を興味深く読んでいるが、
まずは同じく古墳文化のあった朝鮮との比較の記述が目を引いた。
朝鮮半島の古墳は小ぶりで、墳丘を飾ることもしない。
その一方で日本列島の古墳が巨大化した背景として、次の3つの仮説を立てている。
- 日本は文字が浸透していなかったため、視覚でじかに王の偉大さを訴える必要があった。
- 領土争いが続き、軍事費に資本や労力を必要とした朝鮮半島と比べると、日本列島では経済的な余裕があった。
- 日本は都市経済が未発達だったため、王が財や物資を独占することができた。
なるほど無文字社会が長かったことの影響もあるのか。
古墳の用途の違いについては、別の本で読んだこともある。
堺市の百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されるかも?
ということで、今後いろいろな書物が出版されそうで楽しみ。
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