文章がきれい。この人の小説をもっと読んでみたいと思った。
黒だと思っていたものが白だった、なんて単純なことではなく、たった一色だと思っていたものが、よく見るとじつにいろんな色を秘めていた、という感じに近いかもしれない。
たった10年じゃ、終わってもなければ、始まってもいないのかな。
彩り豊かなこの世界で起こる様々な出来事を、受け止められなくなっただけ?
もしかしたら、元いた場所に帰ってくることもあるかもしれないけど…
もっと違う世界を見てみたい。もっとカラフルに生きてみたい。
人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。どれがほんとの色だかわからなくて。どれが自分の色だかわからなくて。
人は知らないうちに、誰かの心の支えになっていたりするもの。
支えている人はもちろん、支えられている人も、普段は少しも気づかなくて、
失ってからその存在の大きさに、愕然としたりする。
世の中があまりにカラフルだから、大切なことも見失ってしまうのかな。
自分のことだって、よく分からない。
会う人それぞれの心の中で、色づけされた私がいて、きっと全部違う。
いろいろな自分に会いたいから、人はつながりたいと思うのかな。
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