引き続き、池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」に収録された、3日間の講義録のうち2日目を読み終えてメモ。
人工知能との比較から考える脳の特徴がテーマ。
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四色定理はコンピューターを使った力技で証明された。すべては美しい数式で証明できる、という考え方は時代遅れなのかも。
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何かを学ぶ時は、順を追って、一つ一つ整理してから先に進むのがいいと思いきや…。「わかった」という短絡的な理解と思考停止を招き、かえって身につかない。
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私たちにとって「わかる」とは「ヒトの脳でも手が届きそうな対象に恣意的に焦点を絞り、その範囲の中で一定のルールを見出すこと」。つまり「わかる=歪める」。
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ポーカーは心理戦と言われていたが、心の存在しない人工知能の方が強くなった。ポーカーは私たちの脳の理解を超えていたから「だましあい」戦略のゲームになっていた。
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人工知能に欠けているのは「思い込み」の能力。少ない情報から思い切って特徴を引き出すことが苦手。だからヒトの脳のほうが学習にかかるエネルギーが少なくて済む。
以上のような気になる内容を受けて思い出したこと。
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数学の魔術的な有効性はこれからも続くのか?
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分かるとはなにか?とたどると、いつもユクスキュルの「環世界“Umwelt”」が現れる。
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安易に正解を手に入れ、満足していると、行き着く先はオルテガ・イ・ガセットの「大衆」。
人工知能が話題になった頃から繰り返されてきたけど、人工知能を知ることは、私たち自身を知ることなんだなと。人間のこの能力は大したことなかったんだと感じたり、意外な能力に将来性を感じたり、そんな発見が増えてゆく。
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