現実と仮想の混同はすでに脳内で…/池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」

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脳科学者、池谷裕二さんの新刊「夢を叶えるために脳はある」。
高校生向け講義シリーズ3部作の完結編。
前作はブルーバックス創刊50周年記念イベントでもらって読んだ。あれから10年以上も経ったのか。
3日間の講義録のうち、まずは1日目を読み終えてメモ。
  • 仮説をどんなにがんばって検証しても、すべての可能性を検証しきれない。ゆえに私たちは「自分の仮説が間違っていること」しか証明できない。
  • 私たちの倫理観は、ヒトの身体的性質や生物学的構造に大きく依存している。
  • 私たちはすべてのものを自信の記憶に基づいた「思い込み」のフィルターを通して見ている。
  • 私たちは2次元である網膜を使って、3次元である世界を解読しているうちに、元の情報が2次元であったことを忘れている。
  • 遠近感や立体感を実感するためには、空間を移動する経験が必要。「見る」とは自身の記憶に依存している。
  • 過去の記憶が色あせるからこそ、私たちは時の流れを実感できる。
一番目を気になって、参照論文までたどってしまったのが、私たちがインターネットを手にしたことで起きた脳の変化。
脳内の知識とインターネットの知識の境界があいまいになり、インターネットで得た知識を自分の経験や思考だと勘違いするという。
近未来には脳にチップを入れて、ネットに繋ぐような話もあるが、その頃に起きると考えられる現実と仮想の混同がすでにはじまっている。ちょっとこの話は衝撃的だった。

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