謎めいた著者名とタイトルに惹かれて手に取ると、
宇宙物理学の知見から、私たちの人生を読み解いた一冊だった。
こういう観点で書かれた本に初めて出会った。
たとえば、膨張を続ける宇宙には中心も果てもないのなら、
「宇宙の動きや宇宙における星や生命の存在に全く意味はないのです。つまり、意味を求める私に意味を与えるのは私であり、意味を求めるあなたに意味を与えるのはあなたです。」
量子力学の多世界解釈によると、
パラレルワールドが存在することになるのだから、
「自分の持った無数の可能性の中で、自分を作っていくことができるのです。…あなたはなりたい自分になれることがわかるはずです。」
このような展開で宇宙を知ることで、
新たな視点を持って、人生を楽しく生きよう!
そんなメッセージが込められていた。
そういえば、池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」で出会った、
ニック・ボストロムのシミュレーション仮説がこの本にも出てきた。
人類が絶命することなく、高度文明を築いていくと信じたいのなら、
この世界は未来人のシミュレーションである可能性が高い、という話。
これに対しての著者の考え方は、
「シミュレーターに消される可能性があります。自分らしく、自分の好きを追求して、人生をエンジョイしましょう。」
とにかく明るい!
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