株価の上昇傾向が続き、株式投資に注目が集まってくると、
しょうもない投資指南書が本屋に平積みされはじめる。
タイトルで「1億円」と煽ってくるのがその代表例。
そんな光景を眺めながら、上昇相場の終わりを意識する。
というような指標に使ってきたけど、最近は少し様子が変わってきた。
もちろん新NISA開始が重なって判断材料に使いにくいのもある。
でも今は「これは良い本だ!」と感じる良書も多く出版され、
久しく投資関連の本を買わなかった私でさえ、今年すでに2冊読んだ。
後藤達也「転換の時代を生き抜く投資の教科書」
1冊目は昨年来、新NISAを機に投資を始めようと相談してくれる人たちに、
最初の1冊としてオススメできるものを探していて、ようやく見つかった本。
多くの初心者向けの本は「これだけやっておけば大丈夫」と、
読者を間違った方向には導いていないが、思考停止させてしまう本が大半。
後藤さんの本は、単なる資産形成のための投資で終わらせるのではなく、
投資を通じて世の中に視野を広げよう!という観点が含まれているのが良い。
清原達郎「わが投資術 市場は誰に微笑むか」
ここ10年ぐらいの間から投資をはじめた個人投資家にとって、
憧れの日本人投資家といえば、テスタさんや井村俊哉さんだろう。
でも投資歴が20年を超えてくると、この方の名前があがるのでは?
かつては所得税の高額納税者を国税庁が発表する習慣があり、
最後の発表となった2004年度版で37億円もの所得税を収め、
第1位だったのがこの本の著者、清原達郎さん。
投資顧問会社で凄まじい運用実績を収めた成功報酬に係る所得税だった。
どんな投資哲学を持ち、どんな運用手法なのか、興味津々だったが、
たまに大量保有報告書で見かける程度で長らく謎に包まれていた。
あの清原さんが昨年の引退を機についに本を出版!
先週末に一気に読ませていただいた。
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