読んだ本と振り返る2020年

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今年はなんといってもCOVID-19をきっかけに手にした本が多い。
こんなことでもなければ、目が向かない分野だと思うので、
この機会に感染症やウイルス関連の書籍を徹底的に読み倒した。

たしか一番最初は3月に読んだ、石弘之感染症の世界史
2014年に出版された本だが、

「感染症の世界的な流行は、これまで30~40年ぐらいの周期で発生してきた。だが、1968年の「香港かぜ」以来40年以上も大流行は起きていない。」

「新興感染症の75%は動物に起源があり、森林破壊によって本来の生息地を追われた動物たちが人里に押し出されて病原体を拡散させるようになった。」

といった記述はまさに現在を予見しているかのよう。

また感染症が国家興亡や歴史の転換点を演出した実例を、
頭に入れておくには最適な一冊と言えるだろう。
この本をきっかけに初めてトゥキュディデス歴史も手にとった。

また関連書籍で人間の思い上がりを再認識した一年でもあり、

  • 人間が進化するためにウイルスは必要不可欠だった (武村政春「生物はウイルスが進化させた」)

  • 人間は多くの生き物が生息する器にすぎない (コリン・アランナ「あなたの体は9割が細菌」)

  • 生命維持の観点でも、人間はあまり優秀な生物とは言えない(中屋敷均「ウイルスは生きている」)

さらに一歩踏み込んで「生」とは何なのか考えさせられた。

「我々の体の中には、もの凄い数の腸内細菌がおり、その助けを借りて生きているし、体表の皮膚の上にも一兆個とも言われている常在菌がいる。各細胞の中には、その昔、独立した細菌であったミトコンドリアがいて、ゲノムDNAの半分はウイルスや転移因子等である。そこに他者と切り離した「自己」のような「純度」を求めるのは我々側の特殊性であり、生命に独立性を持ち得るものがあるとしたら、それは「我思う、故に我あり」とした我々の「観念」だけではないのかと思う。」(中屋敷均ウイルスは生きている

この一文にも登場する常在菌の話で気になるのが、
最近、外出の際にはすっかり習慣化された手指消毒。
ウイルスだけでなく常在菌も殺してしまうわけで、
これが後々どのような影響となって現れてくるのか気になる。

年末になって海外ではワクチン接種がはじまったが、
ファイザーやモデルナのmRNAワクチンについては、
詳しく学べる本に出会えていないのでよく分からない。

従来の生ワクチン・不活性化ワクチンについては、
宮坂昌之免疫力を強くするで学び、
安全なワクチンを作るには平均10~15年はかかるとのこと。

ワクチンだけでなく治療薬も早々に現れることを期待したい。
佐藤健太郎世界史を変えた薬もぜひ読んでおきたい一冊だ。

今年読んだ本で最も興味深かったのは、
めずらしく経済書で、長沼伸一郎現代経済学の直観的方法

本業ではない人が経済を分かりやすく読み解くという手法は、

という私が大好きな世界を読み解く方法であり、
専門とは一体何か? 知性の罠を感じさせられる一冊だった。

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