今年は新規に読んだ本が100冊に届かなかった珍しい1年。
浴びるように読書をする時期を終え、再読することが増えたからかな。
読んだ本を分野を超えて横断的に編集するのが真の読書だもんね。
今年、新版が出版された、デール・カーネギー文庫本3冊セット。
数年前に購入したけど「道は開ける」の良さを実感したのは今年。
今日1日の区切りで生きることの大切さを説いた内容が心に響いた。
くり返し手にとる本と言えば、松岡正剛「日本という方法」。
日本の文化・歴史に関する情報が凝縮されているから、
ここを起点に様々な古典との出会いが楽しめる最強の1冊。
今年出会った、田中仙堂「茶の湯名言集」も良書。
室町から江戸時代にかけての茶人の考えを名言とともに俯瞰できる。
この本で「一期一会」や「数寄者」について私なりに編集を試みた。
今年はなんといっても、瀬戸内寂聴「生きることば あなたへ」。
瀬戸内さん自身がこれまでの著作から選んだ名文集。
年初から自らの健康問題、東日本大震災、身内の不幸と続き、
「出会いと別れ」や「生と死」について考えた1年は、この本とともにあった。
「逢う、ということの大切さ、きびしさ、うれしさ、悲しさ。しょせん人生とは逢って別れることの繰り返しのように思われます。すべてめぐり逢うものは偶然ではなく、他人には無縁にすぎぬ一つの出逢いが、その人の一生を塗りかえていくことが多いのです。」(P49)
「生きるということは、死ぬ日まで自分の可能性をあきらめず、与えられた才能や日々の仕事に努力しつづけることです。」(P214)
生きることば あなたへ (2009/06/11) 瀬戸内 寂聴 商品詳細を見る |
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