食文化と美食探訪

お薦めの本

再訪したくなる店の秘密/チャールズ・スペンス「おいしさの錯覚」

食べた料理が記憶に残りやすい店とそうでない店がある。 同じように美味しいはずなのに、それはなぜか? そんな疑問にチャールズ・スペンス「おいしさの錯覚」が科学的に答えていて、 私が繰り返し食べに行く店に...
食文化と美食探訪

食に対する姿勢の変化

本格的に食に関心を持ったのは2006年。 私が進めていたプロジェクトが大成功したお祝いにと、 日本橋の「メルヴェイユ」でご馳走になったのがきっかけだと思う。 ※現在はメルヴェイユは閉店し、シェフが三越...
お薦めの本

インスタ映えの起源はフランス料理のガストロポルノ?

私たちが味覚だけで食事を味わっているのではないことを科学的に説いた、 チャールズ・スペンス「おいしさの錯覚 最新科学でわかった、美味の真実」。 著者はポテトチップスを噛じる時の音を増幅させると、 実際...
食文化と美食探訪

味の素をめぐるESG投資と魯山人の言葉

自己流ESG投資で味の素を選んだが… 私が自身の株式投資にESGを組み込んでみようと思ったのは、 2009年末にブルームバーグのセミナーに参加したのがきっかけ。 BloombergのESGデータが凄す...
お薦めの本

魯山人、家庭料理の大切さを説く。/山田和「魯山人 美食の名言」

北大路魯山人は伝説の高級料亭「星岡茶寮」のイメージから、 たいそう豪華な食生活を送っていたように思われるが、 「手のこみ入ったものほどいい料理だと思ってはいないか。高価なものほど、上等だと思っていない...
食文化と美食探訪

鰻の料理史から見る料理文化の広がり(磯田道史さんの講演を中心に)

1月19日に味の素食文化センターで開催された 「江戸書物から読み解く庶民の食べ物と生活」。 磯田道史さんの講演「鰻の料理史」を中心にその内容を編集。 庶民が鰻のかばやきを食べるまで 万葉集に収録される...
食文化と美食探訪

2017年 美食の旅

美味しいものをたくさん味わうことができた幸せな一年だった。 Google カレンダーで訪問店や出かけた回数を集計してみると、 2015年あたりから急激に増えているのは妻と出会えたおかげ。 しかし今年は...
食文化と美食探訪

料理に込めた想いの伝え方。西麻布「Takumi」のアイデアが素晴らしい!

今年2月にオープンのフレンチ「Takumi」。 29歳のシェフ、大槻卓伺さんのアイデアに感銘を受けた。 お店のコンセプトは、 組み合わせの妙を正確に理解し、楽しめるレストラン 料理が運ばれてくる前に、...
食文化と美食探訪

明治天皇の肉食解禁からとんかつ誕生までの約50年。

最近、美味しいとんかつ屋はどこも行列だ。「東京とんかつ会議」が出版されたり、雑誌BRUTUSの特集になったり、今、とんかつがブームなのだろうか? 今年は梅林(銀座)、まさむね(赤坂)、イマカツ(六本木...
食文化と美食探訪

食べログの信頼度は地域によって差があるようだ

今秋の京都旅は「食」がメインテーマだったと言える。 食べログを参考にしながら予約した下記3店で懐石料理をいただいた。 食べログ【3.90】…惜しまれながら閉店した名割烹の系譜を継ぐ店 食べログ【4.0...
食文化と美食探訪

高級レストラン運営の「ひらまつ」が今まさに変革の時

2003年の開店当初から年に1度は食べに行っているレストラン「代官山ASOチェレステ二子玉川店」が最近美味しくなった気がする。 これなら季節に1回くらいランチに行ってもいいかな?それなら投資して株主優...
食文化と美食探訪

井上馨主催の茶会の茶懐石が絶品!?/高橋箒庵「東都茶会記」

高橋義雄(1861~1937)。明治・大正時代に三井グループで活躍した実業家。茶人・高橋箒庵(そうあん)としても知られており、茶道三昧の日々を送るなかで茶会の記録を綴り続けた。 時事新報で連載された茶...
食文化と美食探訪

奈良で蕎麦の求道者に出会い、江戸時代の「蕎麦全書」を読む。

奈良の旅で一番の美味は意外にも蕎麦だった。 「玄(げん)」で食べた一日二組限定の「蕎麦遊膳」 ご主人の蕎麦への深い愛が感じられる素晴らしい料理の数々。 ここまでのレベルに到達しても、「東京でおすすめの...
お薦めの本

黄金に輝くだしの歴史・文化・科学/伏木亮「だしの神秘」

以前読んだ同じ著者の食の科学に関する本が面白かった。 懐かしの味は香りの記憶/伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」 今回は「だし」に絞って、より一般向けの内容になっている。書き留めておきたい内容をメモして...
食文化と美食探訪

瀬戸内海を救った牡蠣の浄化力。美味しさには山の栄養分が不可欠。

貝塚から殻が発見されるほど昔から食べられていた牡蠣。昔は沿岸の岩場にたくさん生息していたようで、浜に牡蠣の殻が転がっている様子が古事記に詠われる。 夏草の あひねの浜の 牡蠣貝に 足踏ますな 明かして...
食文化と美食探訪

長寿の秘訣は洋食より和食!「自叙 益田孝翁伝」

三井物産初代社長の自叙伝「自叙 益田孝翁伝」。茶人としても高名で鈍翁と号した数寄者としても知られる。 食事に気をつかうことが長寿(満90歳で死去)の秘訣だったのだが、そのきっかけが豚の飼育だったという...
食文化と美食探訪

七草の習慣が庶民に広がるのは平安末期?/百人一首15「若菜摘む」

君がため 春の野に 出でて若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ 百人一首に収録される光孝天皇(830~887)の和歌。 意味を知らずに読むとなぜ天皇が葉を摘んでいるのか?となるが、実はここでの「若菜」と...
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髙橋拓児の軽やかおせちに挑戦!/きょうの料理2016年12月号

今年のおせち料理は昨年末にNHKきょうの料理で放映されていた京都 木乃婦の髙橋拓児さんのレシピ13品から8品を以下の再現。3人で2日間かけて所要時間は約8時間。 祝い煮しめ たたきごぼう ごまソースあ...
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2016年 美食の旅

今年も美味しいものをたくさん食べた。私にとって2016年は「天ぷら」の年だったかもしれない。 5月に早乙女哲哉さんの「みかわ是山居」を訪れるにあたり、いつもの病気が出て天ぷらの歴史を調べ倒し、 天ぷら...
名言・名文

早乙女哲哉「天ぷらは時間、間、呼吸、と小さく刻んだ時を食べる物」

6月に早乙女哲哉さんの古稀記念講演会を聴いて以来、もう一度食べに行きたかった「みかわ是山居」へ。今回はおまかせコースを食べたらこんなお品書きをもらった。 この裏には早乙女さんの天ぷらにかける想いがした...