食文化と美食探訪

食文化と美食探訪

会席料理と懐石料理の違い/髙橋拓児「和食の道」

会席料理と懐石料理。同じ和食で読み方も同じ。何が違うのかふと気になった。大辞林で調べてみると、 かいせき【会席】 何人かの人が集まって寄り合う会合・宴会などの席。多く、連歌・俳諧・茶の湯などの席。 「...
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コクとは何か?

料理人の語るコク メトロミニッツ No.167 で様々な料理人が「コク」について語っている。代表的なコメントを引用すると、 「単一な味わいのさらに奥にある、食材の個性が凝縮されたもの。料理人の経験によ...
お薦めの本

懐かしの味は香りの記憶/伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」

土瓶蒸しの松茸の話から引き続き、香りと脳科学について調べている。伏木亮「味覚と嗜好のサイエンス」にこんな記述があった。 「においの記憶は確かで変質しません。味は舌から延髄、大脳各部位といくつも神経を乗...
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菊乃井の村田さんが語る、正しい松茸の土瓶蒸し。

結婚記念日に赤坂・菊乃井で晩ご飯。 京都の本店と赤坂店を往き来する村田吉弘さんが、赤坂店に立つ日に当たり、松茸の土瓶蒸しについて教わったことをメモ。 松茸の土瓶蒸しの由来は、 松茸の産地丹波の郷土料理...
お薦めの本

木乃婦主人、髙橋拓児が語る八寸、造り、御椀の美学

テーマに興味がある時に参加している「脳の世紀シンポジウム」。今回は「食と脳」がテーマだから、私が行かなくて誰が行く?! 特別公演は京都の料理屋「木乃婦」主人の髙橋拓児さん。 2013年出版の著書「10...
めくるめく和歌の世界

夏越の祓の和歌

旧暦の6月30日、現在の8月上旬~中旬に行われた 「夏越の祓」(なごしのはらえ)。 気候的にはちょうど今ごろ行われた行事だ。 本来は「年越の祓」とセットで、 水無月の 夏越の祓い する人は 千歳の命 ...
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紅茶に砂糖を入れるのは下品?

料理に砂糖を使わないようにしている。かつて北大路魯山人が、 「砂糖は劣食品を瞞着する秘密を持っている。」 と言ったように(瞞着とはごまかすこと)、砂糖や油が多めの料理は貧しかった時代に見栄を張るのが目...
お薦めの本

地学と美食の魅惑のコラボ/巽好幸「和食はなぜ美味しい」

巽好幸「和食はなぜ美味しい」。副題に「日本列島の贈り物」とあるように、豊かな和の食材は地震や噴火と引き替えに得たものだった! マグマ学者が新たな気付きを与えてくれた一冊。今年読んだ本の中で一番おもしろ...
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天ぷら「みかわ」早乙女哲哉 古稀記念講演会

「みかわ是山居」の早乙女哲哉氏の古稀記念講演会が東京大学で開催された。先月、早乙女氏の著書を読み、初めてお店を訪れ、その天ぷらに感動。勢いそのままに講演会へ突撃。前日の魯山人シンポといいグルメ講演日和...
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魯山人シンポジウム「日本の食文化を巡る、その美しき対話」

昨日参加したシンポジウムの講演メモ。 山田和(父親が魯山人と親交のあった作家) 一品ずつお客に提供する形は魯山人の発案。それ以前はお膳に全部のせて出していた。 魯山人の器は観賞用ではなく、料理をもった...
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天ぷらの起源はササン朝ペルシアに?!/ダン・ジュラフスキー「ペルシア王『天ぷら』がお好き?」

天ぷらを調べる中で出会った一冊、 ダン・ジュラフスキー「ペルシア王『天ぷら』がお好き?」。 原題は"The Language of Food"(食の言語学)。 日本人の書いた本で天ぷらの起源を調べると...
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江戸時代の天ぷらはどんな油で揚げていたのか?

調理に大量の油を必要とする天ぷら。何油をどのように調達していたのか?今のところ詳しいことは分かっていないようだ。 油の流通網については、古来より寺社に大量の燈油の需要があったため、荏胡麻から作製した油...
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天ぷらの歴史と名店の系譜を調査中。

先週末に早乙女哲哉さん「天ぷら道楽」を読んで、 天ぷら名人として名高い著者の店「みかわ是山居」を予約。 せっかくだからこれを機会に天ぷらについて調べている。 長くなりそうなので集めた情報をいったんメモ...
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清少納言も食べた「かき氷」

無類の「かき氷」好きの妻に連れられて、 11月にもかかわらず谷中の「ひみつ堂」を訪問。 この店のかき氷は日光三ツ星氷室の天然氷で作っている。 人口の氷池に天然水を引き込み自然に氷らせ、 手作業でゴミや...
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買ってよかった料理本ベスト3

努力と成果が正比例する料理の世界。 高校の期末テスト以来の快感にすっかりはまり、 週に3回はだしをひいて料理をする気合いの入れよう。 興味を持つと振り切れてしまう体質がここでも勃発! レシピ本を読みあ...
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おむすび文化論。「おにぎらず」では霊力が足りない!

かつて米粒には稲の霊力(稲魂)が宿ると信じられていた。 そんな米粒を凝縮した餅や酒は霊力が宿る特別な食べ物。 たとえば正月は「歳神(年神)」を迎え入れるための行事。 やってきた歳神が御魂(その年の命)...
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料理で悟りを開く? 人生最高の知的格闘に挑む!

料理を習い始めた去年の11月から約10ヶ月。 8月から家でも本格的に料理を作りはじめた。 ごくごく当たり前のことだけど、 手間をかけた分だけ、美味しい仕上がりになる! ことにとても感銘を受けている。 ...
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ホテルニューグランド初代総料理長、サリー・ワイル。

氷川丸から陸側に向かって視線を向けた先には、 日本の食文化を語る上で欠かせないホテルがある。 ホテルニューグランド。 関東大震災で壊滅的な打撃を受けた横浜市。 その復興のシンボルとして、1927年に現...
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科学的に正しいだしのひき方

興味を持ったら、とことん突き詰める。 それが私の生き方。 でも今さら料理の腕を極めることは難しい。 そこで着目したのは料理の科学だ。 料理がサルをヒトにした/スザーナ・エルクラーノ=アウゼル 香りが味...
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航路が決めた、関西の昆布だし、関東の鰹だし。

そばやうどんのだし汁の地域差と言えば、 関西はこんぶ、関東はかつお節という話になる。 東京に老舗のかつお節専門店はあるけど、こんぶは見当たらない。 そういえば大阪「こんぶ土居」の「十倍だし」を探してい...