「国家」という不思議な言葉

この記事は約2分で読めます。

国家。
国の家、家の国…。なんだか不思議な言葉だ。

国家を表す英語の語源を調べてみても、家の要素はない。

  • country … ラテン語の「contra(反対)」から派生した古フランス語の「cuntrée」が語源。都市と対立する地域、すなわち「田舎」を指す。
  • nation … ラテン語の「natio(出生・起源)」が語源。中世には「民族」や「国家」を意味するようになった。
  • state … ラテン語「status(立場・地位)」が語源。古フランス語の「estat(国家)」と結びつき「state」へと変化した。

だから日本を考える上で「家」の概念はきっと大切。

一子相伝、奥義秘伝、門外不出という言葉に現れるように、
家ごとそれぞれに伝承的な技能を持っていて、
それを次の時代を受け渡すための仕組みが「家」
(例…有職故実や華道・茶道の家元制度など)

日本企業から将来性のある投資先を探そうとすると、
創業家が経営者の企業(オーナー企業or同族企業)に、
目がとまりやすいのも「家」が関連しているのかもしれない。

オマケで「国家」という言葉が歴史上初めて現れるのは、
十七条憲法(604年)らしい。

「群卿百寮、礼をもって本とせよ。それ民を治むるの本は、かならず礼にあり。上礼なきときは、下斉わず、下礼なきときはもって必ず罪あり。ここをもって、群臣礼あるときは位次乱れず、百姓礼あるときは国家自ら治まる。」

群臣たちに礼が保たれていれば、社会の秩序は乱れないし、
百姓に礼があれば国がおのずと治まる、と説いている。

コメント