古典に学ぶ人生論

世阿弥「風姿花伝」

世阿弥「風姿花伝」の人生論 35歳→45歳

今からだいたい10年前の30代半ばの頃、 古典に記された年代別の人生論を収集していた。 なんとなく振り返っていて、もう一度読んでみようと思ったのが、 世阿弥「風姿花伝」の35歳と45歳についての記述。...
古典に学ぶ人生論

しょせん自分のお尻の上に座るしかない/モンテーニュ「エセー」

引き続き、モンテーニュ「エセー」より。 私たちは理解不明な出来事に遭遇すると、 原因と結果を強引に結びつけて、納得しようとしがち。 「わたしの見るところ、人間というのは、なにかの事実が示されると、えて...
古典に学ぶ人生論

基準は自分の内側に/モンテーニュ「エセー」

年始から株高・円安で資産の増加ペースが不気味だ。 おそらく2024年1月の1ヶ月間は、24年間投資を続けてきて、 月次ベースでの増加割合・増加額ともに過去最高だと思う。 こんな時は投資と距離を置いて、...
古典に学ぶ人生論

読書が心を整える/モンテーニュ「エセー」

モンテーニュは「三つの交際について」の章で、 人生を振り返り、3種類の良き交際を比較した。 美しく礼儀正しい女性たちとの交際 まれで心地よい友愛 書物との交際 まずは読書以外の2つ(恋愛・友愛)につい...
兼好法師「徒然草」

資産を殖やす話ばかりの今こそ、徒然草。

昨年来、新NISAの話題があふれており、 将来の資産を殖やすことばかりに焦点がいきがちだ。 だが、お金を「稼ぐ・貯める・殖やす」方法は限られており、 本当に難しいのは、多数の選択肢があるお金の「使い方...
古典に学ぶ人生論

世間に価値判断を委ねない/マルクス・アウレリウス「自省録」

前回のポッドキャスト収録で、「株式投資において辛抱強さを身につけるには?」とrennyさんから問われて、古典を読むことと回答。 禅の問答集と答えている時、思い描いたのは「正法眼蔵随聞記」。私の愛読書「...
古典に学ぶ人生論

利殖上手にして武辺者の岡左内。そのお金の使いどころ。

戦国武将、岡定俊(1567~1622)。通称、岡左内。調べているとお金の面で、なかなかおもしろい人物だ。 上田秋成は「雨月物語」(1776)の最終章「貧富論」に、主人公として左内を登場させ、こう語らせ...
道元「正法眼蔵」

道元の遺言? 八つの大切なこと/正法眼蔵・八大人覚

道元の大著「正法眼蔵」の最終巻「八大人覚」は、釈迦入滅直前の説法「仏遺教経」からの引用が主だが道元絶筆の教えとして、遺言ととらえることもできるという。 「八大人覚」とは「八・大人・覚」であり、ここでい...
兼好法師「徒然草」

徒然草に学ぶ、金銭感覚と投資の心得。

rennyさんとのお話の中で「徒然草」に触れたので、お金や投資に関連する部分についてまとめておこう。 理想的な金銭感覚 兼好法師の生きた14世紀前半は、貨幣経済が本格的にはじまった頃。徒然草の中にも金...
中国古典

柳緑花紅真面目。「しんめんもく」と「まじめ」。

柳緑花紅真面目(柳は緑花は紅、真面目) 宋代の詩人、蘇東坡(1037~1101)の詩の一節とされる。(レファレンス共同データベースによると、出典不明で作者は謎) 蘇東坡の詩は仏教の経典や語録を題材にし...
中国古典

不要不急と無用の用

不要不急。 先ごろはじまったCOVID-19の第5波では、あまり見聞きしなくなった。ただ「何が自分にとって不要不急だったのか?」と振り返る機会は、今後も継続的にあった方がいいように思う。 今の経済活動...
古典に学ぶ人生論

クロイソス×ソロン問答へのアリストテレスの反論(ニコマコス倫理学)

アリストテレスの「ニコマコス倫理学」に興味はあるが、なんだか難しそうと迷ったものの、結局手に取ることにした。 40歳を過ぎ、いつ老眼に襲われるか分からないので、気になる古典は今のうちに目を通しておくべ...
古典に学ぶ人生論

アリストテレスの最高善って遊戯三昧?

いままでちゃんと読んだことがなかったので気付かなかったのだが、アリストテレス「ニコマコス倫理学」はある意味、幸福論の古典のようだ。ちょこっとかじってみて、もしやこれは?と思ったことをメモ。 「もういち...
お薦めの本

幸運と幸福の違いとは?/ヘロドトス「歴史」

ヘロドトス「歴史」を読み直している。読み進めていくと一番最初に出会う読みどころはやはり、クロイソスとソロンの問答。※岩波文庫・上巻のP31~ 権力の絶頂にあったリュディア王クロイソスは、ギリシアの賢人...
道元「正法眼蔵」

老いと向き合う禅/荘子「坐忘」、道元「身心脱落」

荘子を読み返していて、座禅の源流のような記述を見つけた。(大宗師篇 第七章) 顔回が師匠の孔子に「坐忘」を身につけたと報告する。 「肢体を堕ち、聡明をしりぞけ、形を離れ知を去りて、大通に同ず。此れを坐...
兼好法師「徒然草」

徒然草・最終段に込められた意味

徒然草の最終段である243段は少し不思議。 幼少期の兼好法師が父親に「仏って何?」と問いかけ、数回の問答の後に、父は答えられなくなり、 「問ひ詰められて、え答へず成り侍りつ(息子に問い詰められ、とうと...
古典に学ぶ人生論

鴨長明の方丈庵。台所がないのが気になる。

引越先を探す中で、必要な家の広さについて考えていて、なぜか、鴨長明「方丈記」を読み直しはじめた。 ちなみに「方丈記」の「方丈」とは、長明の住んだ家の広さを現す。 方丈=一丈四方 一丈=3.03メートル...
お薦めの本

ジェイムズ・ロム編「セネカ 死ぬときに後悔しない方法」

セネカ「生の短さについて」を再読しようと思い立ったが、誰かが編集したもので新たな視点が欲しいなと手に取った、 ジェイムズ・ロム編「セネカ 死ぬときに後悔しない方法」 でも読んでみたら、「生の短さについ...
古典に学ぶ人生論

念仏の心がまえ?そんなものはない!「一遍上人語録」

踊り念仏で鎌倉時代の日本を遊行した時宗の開祖、一遍。久しぶりに「一遍上人語録」を読み直している。 念仏の心がまえを問われた一遍は、 「南無阿弥陀仏と申す外、さらに用心もなく、此外に又示すべき安心もなし...
古典に学ぶ人生論

怒りの源は無知か傲慢/セネカ「怒りについて」

岩波文庫の兼利琢也訳、セネカ「怒りについて」を読んだ。 セネカの著作のなかで「対話篇」と呼ばれる全12巻の作品があり、 第1巻「摂理について」 第2巻「賢者の恒心について」 第3,4,5巻「怒りについ...