古典に学ぶ人生論

中国古典

孔子は富をどう説いたか?/「論語」里仁第四・述而第七・憲問第十四

渋澤栄一の「論語と算盤」を読み直していたら、なんとなく論語が「富」に言及した部分を抜き出したくなった。 孔子は「清貧」を推奨しているものと勝手な印象を持っていたが、 富は誰もが欲しいものだから、正しい...
古典に学ぶ人生論

「知る→好む→楽しむ」と心は躍る/「論語」雍也第六

ブログに良いタイトルつけたなぁと思わせてくれる論語の一節。 「子の曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(論語・雍也第六の二十) ごく簡単に言うと「知る < ...
世阿弥「風姿花伝」

勢いに逆らわず時を待て/世阿弥「風姿花伝」

ビジネス書として世阿弥「風姿花伝」を読むという観点があるらしい。 ヘタな自己啓発本より世阿弥「風姿花伝」(12/07/21) 世阿弥の年齢別人生論/風姿花伝・年来稽古条々(13/03/27) という記...
中国古典

信念の功罪/菜根譚・前集112,130

何かしらの信念を持った人間は信頼されやすい。しかしその信念に固執しすぎて思考停止に陥るのはダメだ。 菜根譚を読み返していたら、そのバランスの大切さが示されていた。 信念を貫くべきだ(前集112) 意を...
中国古典

41歳での隠居の決意を詠んだ、陶淵明「帰去来辞」。

今月41歳になった。 なにげなく中島義道「人生を半分降りる」を読み返していると、41歳頃に隠居生活に入った歴史上の人物が何人かいるようだ。 陶淵明…官職を辞したのを最後に二度と仕官しなかった。 スピノ...
古典に学ぶ人生論

憧れでも妬みでもなくお金と向き合う/井原西鶴「日本永代蔵」

江戸時代に書かれた、井原西鶴の「日本永代蔵」(1688)。 ビジネス書として優れていることは以前紹介したが、 ヘタなビジネス書より井原西鶴(12/04/24) あのとき読んでからだいぶ月日が経ったので...
お薦めの本

マルクス・アウレリウス「自省録」の背景

ローマ皇帝、マルクス・アウレリウスの手記「自省録」が、NHK「100分de名著」の今月の1冊ということで再読した。 自省録のことば 「一つ一つの行動を一生の最後のもののごとくおこない、あらゆるでたらめ...
中国古典

いつも心に風流を/菜根譚・後集4,83,132

初めて中国の古典を読むなら、孔子や老子よりも、「菜根譚(さいこんたん)」が読みやすいのではないかと思う。 菜根譚は中国・明代末期に洪自誠によって書かれた随筆集。 儒教・仏教・道教の三大思想を踏まえた中...
お薦めの本

大衆に埋没しない生き方のヒント/オルテガ「大衆の反逆」

1922年にイタリアでムッソリーニ、33年にドイツでヒトラーが政権を取る、その間の1930年に発表されたオルテガ・イ・ガセット「大衆の反逆」。NHK「100分de名著」で取り上げられていたのを機に読み...
兼好法師「徒然草」

話が意味不明の専門家? その人はエセ専門家。

ある分野について学んでいるが、専門家の話が理解できない。まだ私自身の勉強不足ということなのか? そんな悩みを聞くと、だいたい次のどちらかなのだが、 実際に本人の勉強不足 見栄を張るために難しい言葉を使...
道元「正法眼蔵」

人の話に学ぶ時の心得/正法眼蔵随聞記

「正法眼蔵随聞記」は師匠である道元の教えを弟子が書き留めたもの。だから仏の道を歩む人たちの心構えがたびたび示されている。もちろんそれは仏教にかぎらず、何かを学ぶ時の心得と捉えることができる。 ここでは...
古典に学ぶ人生論

人知れず善いことを/正法眼蔵随聞記・淮南子・自省録

道元の弟子が師の教えを書きとめた「正法眼蔵随聞記」。 その中にこんな一節がある。 「今の世、出世間の人、多分は善事をなしては、かまへて人に識られんと思ひ、悪事をなしては人に知られじと思ふ。此れによって...
兼好法師「徒然草」

生きる限り求めてしまう三つの欲/徒然草242段

年末年始に経済誌向けの原稿を書いていて字数調整に苦戦した。 こういう体験をしてあらためて、枕草子や徒然草はすごいなと思う。短くまとまっていて内容も深い。 最近あまり古典に触れていなかった気がしたので、...
古典に学ぶ人生論

幸福と成功、希望について/三木清「人生論ノート」

本棚の隅で忘れられていた、三木清の「人生論ノート」。 表現が回りくどくて、すぐに放り出してしまったのだが、 今月放送のNHK「100分de名著」で再発見することができた。 番組自体は去年春の再放送で見...
古典に学ぶ人生論

信頼するに足る存在とは?/内村鑑三「代表的日本人」

上場企業や運用会社のレポートで何を語って欲しいかと問われると、 きまって「失敗談が読みたい」と答えるのだが、あまり受け入れられない。 おそらく見栄やプライドが邪魔するのだろうが、 そういったものに囚わ...
古典に学ぶ人生論

荘子と徒然草の人生論。人が未来を憂い、現在の欲望を抑えることは難しい?

これだけ暑い日が続くと、地球温暖化を身近に感じる人が増えるだろう。 でも将来的な気温上昇に備え、これまで何か行動してきたかというと…。 まぁ人間とはそんなものだと思う。 そもそも世界は主観的にしか捉え...
古典に学ぶ人生論

明恵上人、島に宛てて手紙を書く。

19歳から死の間際まで生涯にわたって、 見た夢を記録し続けた鎌倉時代の名僧、明恵(1173~1232)。 夢に本気で取り組んだ人物を探せば、 ジークムント・フロイト(1856~1939)まで時代を下る...
古典に学ぶ人生論

マキャベリ「君主論」第25章より運命論

本屋でマキャベリ「君主論」が文庫で平積みされていたので買った。 私の本棚には塩野七生の「マキアヴェッリ語録」しかなかったのだ。 あらためて全文を読むと、やはり第25章の運命論が興味深い。 「もともとこ...
古典に学ぶ人生論

40歳。古典に学ぶ人生論。

今年、40歳になる。 というわけで新年は40歳にちなんだ古典を読み解いてみる。 40歳の人生論(孔子・白楽天・ゲーテ) よく「不惑の四十」といわれたりするのは「論語」に由来する。 「子の曰く、吾れ十有...
兼好法師「徒然草」

投資家へ贈る徒然草110段

最近ずいぶんと好調な日本株について今後の見通し等を尋ねられた。 残念ながら私には未来予測の能力は搭載されていない。 ただ今のような環境下での心構えであれば、古典にいくらでも書いてある。 ここでは「徒然...