柳緑花紅真面目(柳は緑花は紅、真面目)
宋代の詩人、蘇東坡(1037~1101)の詩の一節とされる。
(レファレンス共同データベースによると、出典不明で作者は謎)
蘇東坡の詩は仏教の経典や語録を題材にしたものも多く、
後に「東坡禅喜集」がまとめられ、禅僧に影響を与えたことで、
めぐりめぐって現在では、茶席の掛け軸としても使われるようだ。
柳は緑色で、花は紅に染まる。
そのごく当たり前の光景を「真面目(しんめんもく)」と感動した詩。
真面目は「まじめ」ではなく、「しんめんもく」と読む。
もしも「まじめ」の語源が「しんめんもく」だとするのなら、
私は「まじめ」という言葉の持つ意味を間違って解釈していた。
歳とともに「まじめ」には負のイメージを持つようになっていたから。
考え方に柔軟性や面白みのないことを表現しているような。
しかし「しんめんもく」は、
起きることをありのままに受け入れ、そこに真実を見出すこと。
経験や知識などの過去の価値判断を捨てることで、
物事の本質を捉えようとする姿勢を示す言葉なのである。
真面目に生きるのは悪くない。
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