人生の哲学と科学

古典に学ぶ人生論

人の話に学ぶ時の心得/正法眼蔵随聞記

「正法眼蔵随聞記」は師匠である道元の教えを弟子が書き留めたもの。だから仏の道を歩む人たちの心構えがたびたび示されている。もちろんそれは仏教にかぎらず、何かを学ぶ時の心得と捉えることができる。 ここでは人の話から学ぶ時の心得が示された一説を...
古典に学ぶ人生論

人知れず善いことを/正法眼蔵随聞記・淮南子・自省録

道元の弟子が師の教えを書きとめた「正法眼蔵随聞記」。 その中にこんな一節がある。 「今の世、出世間の人、多分は善事をなしては、かまへて人に識られんと思ひ、悪事をなしては人に知られじと思ふ。此れによって内外不相応の事、出で来たる。相構...
兼好法師「徒然草」

生きる限り求めてしまう三つの欲/徒然草242段

年末年始に経済誌向けの原稿を書いていて字数調整に苦戦した。 こういう体験をしてあらためて、枕草子や徒然草はすごいなと思う。短くまとまっていて内容も深い。 最近あまり古典に触れていなかった気がしたので、パラパラと眺めていて、目にとまっ...
古典に学ぶ人生論

幸福と成功、希望について/三木清「人生論ノート」

本棚の隅で忘れられていた、三木清の「人生論ノート」。 表現が回りくどくて、すぐに放り出してしまったのだが、 今月放送のNHK「100分de名著」で再発見することができた。 番組自体は去年春の再放送で見ていたはずなのだが、 なぜか今回...
人工知能をめぐる議論

人工知能を入力と出力の関係で仕分けする/松尾豊「人工知能は人間を超えるか」

乱立する人工知能の話題をどのように仕分けすべきか?先日は「ボトムアップ型とトップダウン型」という見方を学んだ。松尾豊「人工知能は人間を超えるか」を読み直してみると、これも分かりやすい仕分け方だなぁというものがあったのでメモ。 人工知能を入...
人工知能をめぐる議論

人工知能・ボトムアップ型とトップダウン型

最近、人工知能の議論が広まるにつれて、なんだかよく分からない話をはじめる人も増えてきた。 先日は「シンギュラリティ」を切り口に頭を整理してみたが、より分かりやすい整理の仕方をアニメの中に見つけたのでメモ。 「ソードアート・オンライン ア...
古典に学ぶ人生論

信頼するに足る存在とは?/内村鑑三「代表的日本人」

上場企業や運用会社のレポートで何を語って欲しいかと問われると、 きまって「失敗談が読みたい」と答えるのだが、あまり受け入れられない。 おそらく見栄やプライドが邪魔するのだろうが、 そういったものに囚われていない人こそが信頼できるのでは...
世界を読み解く方法

天職が気になって、マックス・ヴェーバー「プロ倫」を再読。

すっかり気に入ってしまったアニメ「ソードアート・オンライン」で、 「天職」や「天命」というキーワードが出てきたのがきっかけで、 マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」 ...
世界を読み解く方法

高僧との禅問答のような…高川武将「超越の棋士 羽生善治との対話」

2010年9月から永世七冠達成の2018年1月までの7年間におよぶ 羽生善治さんへの全8回のインタビューをまとめた1冊、 高川武将「超越の棋士 羽生善治との対話」 うつ病経験者で...
お薦めの本

体外受精はいまだ人体実験のレベルなのか?

昨年から今年にかけて開催された連続シンポジウム「激動する世界と宗教」。 その最終回の模様を収録した「宗教と生命 激動する世界と宗教」の中での、 生命倫理学を専門とする安藤泰至氏の発言に驚いた。 「体外受精の成功率を考えてみても...
人工知能をめぐる議論

シンギュラリティという言葉に気をつけろ!

最近、人工知能に関する本や記事を読んでいると、 シンギュラリティの定義が微妙にズレていることがある。 あれ? 人工知能が人より賢くなる地点じゃなかったよな? シンギュラリティとは? いま一度、本来の定義を振り返ると、 「シ...
世界を読み解く方法

絶版本 ノルベルト・ボルツ「意味に餓える社会」を要約

1997年に書かれたノルベルト・ボルツ「意味に餓える社会」。 結構お気に入りの本で、数年に1度読み返しているのだけど、 だいぶ前から絶版のまま入手困難なのが残念。 原題はドイツ語で"Die Sinngesellschaft"。 その...
お薦めの本

心が通じ合うとは、相手の言葉が予測できること?/池谷裕二「できない脳ほど自信過剰」

脳科学の論文を紹介したコラムをまとめた 池谷裕二「できない脳ほど自信過剰」 このなかで一番興味深かったのは、 「気が合う」を科学的に解明しようとする研究者の論文。 ...
古典に学ぶ人生論

荘子と徒然草の人生論。人が未来を憂い、現在の欲望を抑えることは難しい?

これだけ暑い日が続くと、地球温暖化を身近に感じる人が増えるだろう。 でも将来的な気温上昇に備え、これまで何か行動してきたかというと…。 まぁ人間とはそんなものだと思う。 そもそも世界は主観的にしか捉えられないし(ユクスキュル「環世界」...
生物と生命の不思議

脳の進化にまつわる誤解。ポール・マクリーン「三位一体脳モデル」の間違え。

デイビット・J・リンデンの「 脳はいいかげんにできている」。 ふと同じような話を昔読んだことがあるような?と調べていたら、 脳の見方に関するありがちな間違えに気付かされた。 脳は3段アイスのようなもの? 「人間の脳は、三段...
世界を読み解く方法

世界は主観的にしか捉えられない/ユクスキュル「環世界」

グリーンエネルギーの旗手とされてきた原子力発電が、 押し寄せる津波により一夜にして善から悪へと転落した。 人間の知性の限界を思い知らされる事象に遭遇し、 様々な古典に世界を読み解く方法を求める中で、 最も響いた考え方が ユクスキュ...
パスカル「パンセ」

知恵とは、敬意とは…/パスカル「パンセ」

久しぶりにパスカル「パンセ」を読み返し、改めて目に止まった断章をメモしておく。 知恵はわれわれを幼年に向かわせる 知恵はわれわれを幼年に向かわせる。(幼子のようにならなければ!)とくに文脈もないので勝手な解釈になるが、「知恵」とは「好奇...
パスカル「パンセ」

神はあるか、ないかの「パスカルの賭け」。神を投資に読みかえると…

フレーズ・パスカルは「パンセ」の中で読者へこう問いかける。 「 この世に神がいるか、いないか。あなたはどちらに賭けるか?」 通称「パスカルの賭け」と呼ばれる意志決定論の起源とも言える。 以前にもこの断章を用いて 投資の本質に迫ろう...
世界を読み解く方法

羽生善治さんの学習の高速道路論

毎年ゴールデンウィークに再編集することを習慣にしている、 かつて将棋の羽生善治さんが語った「学習の高速道路論」。 昨年2017年は「永世七冠」を達成するという偉業もあったので、この1年で出版された著書のほかに、その時の記者会見も含めて編集し...
古典に学ぶ人生論

明恵上人、島に宛てて手紙を書く。

19歳から死の間際まで生涯にわたって、 見た夢を記録し続けた鎌倉時代の名僧、明恵(1173~1232)。 夢に本気で取り組んだ人物を探せば、 ジークムント・フロイト(1856~1939)まで時代を下ることを考えると、 かなり尖った人...