活字離れに読書離れ、そして出版不況と言われて久しい。
一方で約30年の間で日本人の図書館利用は倍増している。
これは読書習慣のない人がドキッとするだけの統計にすぎない。
どの年代が図書館を利用しているのかは不明のため、
「若者の読書離れ」についての反論の証拠にはならないから。
ちょうどそんな疑問が生じたときに出会った一冊が、
1990年代からの官民連携しての読書推進策によって、
小中学生の読書冊数は2000年代以降は右肩上がりだと言う。
高校生の読書冊数は1960年代から月にほぼ一冊程度で変化なし。
よってネットやスマホの普及と読書離れをセットにする論調は、
事実に基づかない完全な妄想であることがよく分かった。
また本書で紹介されていた興味深い論文として、
読書に興味を持つ子供に育つかどうかは、
親の読書・蔵書量や子供を本屋に連れて行く回数などなど、
親が子供にどんな環境を与えたかは、まったく関係ないのだとか。
むしろ生まれつきの遺伝子で、活字や読書への関心の有無が決まる。
そういえば安藤寿康氏の研究については以前まとめたことがあった。
- 時代にあった遺伝子を持って生まれるか。それが人生を左右する?(17/09/10)
読書への関心は数学・音楽・スポーツの才能と同じということか。。。
これはなかなか衝撃的な学びだった。
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