日本の美意識 月の満ち欠けにめぐり逢いを見る(新古今和歌集) 「恋・桜・月」は日本文化形成に不可欠な3点セットだった。 でも「月」が日本人の心の問題になった時期は遅く、 おそらく平安時代後期のあたりから、というのがこの記事。 日本はいつから「月」に目覚めたのか?... 2013.10.16 日本の美意識新古今和歌集
お薦めの本 おいしさ=味×心/小山薫堂「人生食堂100軒」 小山薫堂氏は「おくりびと」や「くまモン」で有名な放送作家。 雑誌「dancyu」のコラム「一食入魂」で紹介した(2001~09年)、 600軒から100軒を選んで編集しなおした本。 料理の批評ではなく... 2013.10.14 お薦めの本食文化と美食探訪
日本の神様と昔話 浦島太郎の原型/風土記・万葉集 浦島太郎は原型からだいぶ形が変わってしまった昔話。 「丹後国風土記」(8世紀前半?)には、 助けた亀に連れられて竜宮城へ… 玉手箱をあけるとお爺さんになってしまう という現代の中心部分は存在しない。 ... 2013.10.06 日本の神様と昔話
日本の神様と昔話 東京で伊勢神宮にお参りした気分(東京大神宮) 2013年は伊勢神宮と出雲大社の遷宮が重なる年。 20年周期と60年周期の出会いだから、ほぼ一生に一度。 今月中に身辺整理を終えて…、と思い通りにはいかないもの。 せめて東京にある系列神社だけでも行っ... 2013.09.29 日本の神様と昔話日記と雑談
食文化と美食探訪 地図は動かして遊ぶもの 世界地図は動かすことで、新しい発見があって楽しい。 国土技術研究センターのサイトから地図を2つ紹介すると、 日本は「ちっぽけな島国」という考えが一変するだろう。 こうして回転させると、日本はユーラシア... 2013.09.28 食文化と美食探訪
日本の神様と昔話 アイデアは境界に生まれる/赤坂憲雄「境界の発生」 七福神の一人「えびす」様。 由来は古事記でイザナギ、イザナミから最初に生まれた神。 でも手足のはっきりしない水子だったため、葦船で海へ流される。 世界で最初に生まれた神が不具で、負い目をはね返し神とな... 2013.09.23 日本の神様と昔話
日本の神様と昔話 日本では「弱さ」は「強さ」よりも深い 主人公が異常に小さく産まれて、のちに大出世。 日本の昔話にはこのパターンが意外と多い。 桃太郎、かぐや姫、一寸法師といった「小さ子」物語は、 子男神スクナヒコナ神話が源流では?と柳田国男は指摘。 「最... 2013.09.16 日本の神様と昔話
食文化と美食探訪 「食」から見る大航海時代と日本の鎖国 古代ローマでもラザニアに似た食があったそうだが、 パスタが今のかたちに近くなったのは11~12世紀。 乾燥パスタがシチリアで、生パスタが北イタリアで作られはじめた。 でも味付けはチーズと胡椒をかけただ... 2013.09.06 食文化と美食探訪
日本の美意識 【特別寄稿】 数寄者をめざす 私 今日は当ブログ初の試み。 室町時代の「会所」のような知的集積の「場」づくりを目指して、 読者の方からのコラムをご寄稿いただきました。 私もたびたびとりあげている「数寄」がテーマ。 「数寄者をめざす 私... 2013.08.23 日本の美意識
文化で読む日本経済 幣(ヌサ)が雷を呼び、虹を渡って神がやってくる 古代の日本人は「音」にとても敏感だった。 漢字の音合わせ、なんてのは今でも続いているし、 万葉仮名の伝統。ラモス瑠偉、キラキラネーム… 長らく無文字社会だったため、 人が口から発する「音」に霊力が宿る... 2013.08.11 文化で読む日本経済
日本の美意識 夜明け前の茶道(茶禅・闘茶・唐物数寄) 中国史では陸羽(733-804)が「茶経」を描いて喫茶を広めた。 でも日本人がいつから茶を飲んでいたのかはっきりしない。 行基(668-749)が土木事業の過程で茶の木を植えた、 って記述もあるけど(... 2013.08.07 日本の美意識
日本の美意識 メビウスの輪をとりもどせ! 「メビウスの輪」って知ってる? こんなやつ。 表が裏であり、裏が表でもある。 表・裏を分けているようで、本質的には表裏一体。 はっきり分けずに「入れ替わり・立ち替わり」の感じが日本的。 日本語の成り立... 2013.08.04 日本の美意識
日本の美意識 岡倉天心「茶の本」の美文集・その2 今年は岡倉天心の没後100周年にあたることもあり、 私が書いた「茶の本」の紹介記事のアクセスが急増中。 岡倉天心「茶の本」を「不完全の美」で要約・編集 岡倉天心「茶の本」の美文集 この機会に私も再読し... 2013.07.23 日本の美意識名言・名文
日本の美意識 日本はいつから「月」に目覚めたのか? 私たち日本人は時代を超えて、月に憧れをいだいていた。 でも、それはいつ頃からなのだろう? 古代より闇夜を照らす月光は神秘的な印象を与えただろう。 でも日本の神話における、月神の扱いは冷淡なもの。 ギリ... 2013.07.15 日本の美意識
日本の美意識 夢でしか会えない神仏/明恵上人&梁塵秘抄 日本史で「夢」と言えば「夢記」を残した明恵上人が有名。 この人の夢に対する感覚は不思議なものがある。 叔父の上覚が、 見ることは みな常ならぬ うき世かな 夢かと見ゆる ほどのはかなさ はかない夢より... 2013.07.14 日本の美意識
日本の美意識 まほろば・うるはし・うまし/古代人の日本観 暑さゆえに移住の話をすると「どこの国へ?」と聞かれる。 私は日本より良い国はなんかあるわけない!と思ってるけど、 (とくに「食」の面で→ミシュランガイドの星の推移や国際比較) 世間一般にはどんよりした... 2013.07.13 日本の美意識万葉集
日本の神様と昔話 桃太郎の背景にあるもの/古川のり子「昔ばなしの謎」 かつて物語の「もの」には「霊」という意味があった。 まるで取り憑くように人の心を捕らえたのが昔話。 そしてその背景には何か大切なことが隠されている。 たとえば桃太郎。 「桃」は陰(死)と陽(生)の境に... 2013.06.30 日本の神様と昔話
文化で読む日本経済 倹約は創造的な努力/石田梅岩「都鄙問答」 現代の日本人は経営学というと、すぐにアメリカに目を向けてしまう。 でも日本には、アメリカ建国(1776年)以前に設立の企業が数多い。 たとえば日本の上場企業を設立が古い順ベスト3は、 松井建設(158... 2013.06.21 文化で読む日本経済
しあわせのかたち 丿貫(へちかん)のわび茶 千利休と同世代にノ貫(へちかん)という茶人がいたらしい。 戦国時代の名医、曲直瀬道三の姪婿と伝えられている。 世俗を離れ、自由奔放に茶を楽しむのみ。 当時の流行だった高価な茶器を集めることもせず、 雑... 2013.06.15 しあわせのかたち日本の歴史と文化
万葉集 柿本人麻呂の和歌で詠む七夕の心 織姫と彦星の七夕にまつわる星の伝説。 万葉集の時代には、すでに日本人の心をつかんでいて、 とくに10巻には98首もの七夕の和歌が並んでいる。 その中から柿本人麻呂が詠んだものをいくつか。 夕星も 通ふ... 2013.06.08 万葉集