「恋・桜・月」は日本文化形成に不可欠な3点セットだった。
でも「月」が日本人の心の問題になった時期は遅く、
おそらく平安時代後期のあたりから、というのがこの記事。
- 日本はいつから「月」に目覚めたのか?(13/07/15)
新古今和歌集(1216年)の月の歌を調べていると、
「月」で「めぐりあい」を詠んだ和歌が目についた。
ざっと10首ばかり抜き出してみると、
- 思ひ出では 同じ空とは 月を見よ ほどは雲居に めくり逢ふまで
- めぐり逢はむ 限りはいつと 知らねども 月な隔てそ よその浮雲
- いくめぐり 空ゆく月も 隔て 契りし中は よその浮雲
- 忘れじと いひしばかりの 名残とて その夜の月は めぐり来にけり
- 照る月も 雲のよそにぞ ゆきめぐる 花ぞこの世の 光なりける
- めくりあひ 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜はの月かな
- 昔見し 雲居をめぐる 秋の月 いま幾歳か 袖に宿さむ
- 思ひきや 別れし秋に めぐり逢ひて またもこの世の 月を見むとは
- 月を見て 心うかれし いにしへの 秋にもさらに めぐりあひぬる
- 雲晴れて むなしき空に 澄みながら 憂き世の中を めぐる月かな
海外では古くから「めぐる月」が「死と再生」に結びつき、
月の神が「不老不死」と関連する神話が数多い。
でも日本では「めぐる月」は13世紀から? なんだろうこの遅さ。
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