七福神の一人「えびす」様。
由来は古事記でイザナギ、イザナミから最初に生まれた神。
でも手足のはっきりしない水子だったため、葦船で海へ流される。
世界で最初に生まれた神が不具で、負い目をはね返し神となる。
どうやら日本の物語の母型はこのあたりにありそうだ。
七福神は他の神様も顔が長かったり、デブだったり、
基本的に異形の神々の集まり、とまとめてしまってもいいのかも。
ではなぜ「異形」の者が神とされたのか?
赤坂憲雄「境界の発生」に、とても分かりやすい図がある。
とある共同体で「異形」として追い出された漂泊者が、
他の共同体へ訪れて「神」とみなされた、っていうこと。
かつてはあの世とこの世、村の内と外を分かつ境界が存在した。
そして境界をまたぐことで、「負」から「正」への反転が起きた。
つまり豊潤な物語は「境界」から生まれてきたわけだ。
現代社会における「境界」認識は?といえば、
というように、
短絡的な境界線の引き方や境界などないという考え方が多い。
これでは想像力の出番がまったくないからダメ。
新たなアイデアは「境界」にこそ舞い降りるはずだから。
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