日本の歴史と文化

日本の美意識

手の中に宇宙を…利休の引き算の美学。

先日書いた記事に連環して、 人に必要な広さ(13/01/22) 日本の空間感覚の異質さを千利休を例に編集してみる。 利休の生きた時代(1521-1591年)は、ヨーロッパではルネサンス。 ルネサンス期...
文化で読む日本経済

禅林文化から法華文化への転換

禅の思想が日本文化を席巻したのは、 足利義政(1449~73年)、雪舟(1420~1506年)のいた、 応仁の乱(1467~77年)あたりがピークだったのかも。 安土桃山時代に登場する著名な芸術家、 ...
日本の美意識

枕草子に舞う桜/清少納言の桜観

みずから「お題」を作り、高速に「好み」を答え、断言する。 あちこち飛びながらも取り合わせが絶妙なエッセイ集「枕草子」。 清少納言が「桜」をどう見てたのか気になったので編集してみた。 「さても春ごとに咲...
日本の美意識

菅原道真/梅が桜に変わる頃に

古代の日本で「春の花」と言えば「梅」だった。 いつごろ日本の関心が梅から桜へ移っていったのか。 和歌の世界では8世紀中頃の万葉集では桜より梅の歌が多く、 古今和歌集(905年)になると春の主役は桜に変...
万葉集

言霊信仰/古事記を読む・4

無文字社会の古代日本では言葉の威力が極めて強かった。 人が口から発する「音」に霊力が宿るという考え方だ。 敷島の 倭の国は 言霊の 助くる国ぞ 真幸ありこそ (日本は言霊が助ける国。私が「ご無事で」と...
日本の美意識

西行「山家集」の月恋歌より10首

経済系の学問が過去の数字を説明しているだけと悟って以来、 日本を読み解く方法を歴史の中に探し求め続ける日々。 今年の春、日本人が桜へ込めた想いを追っていくなかで、 日本の文化・精神史における転換点にい...
日本の神様と昔話

敗者復活が日本の母型/古事記を読む・3

黄泉の国から「よみがえる」ではないけれど、 古事記には「敗者復活」の物語が数多く散りばめられている。 例をあげると、 イザナキ・イザナミの国生み(最初の出産は失敗) 高天原を追放されたスサノオがヤマタ...
日本の神様と昔話

トップ不在の創世記/古事記を読む・2

突然の気まぐれではじめた「古事記を読む」シリーズ・パート2。 創世記において、今の日本と変わらないなぁ…と苦笑いなのが、 国作りのトップが誰だか分からない 意志決定が合議制で責任の所在があいまい って...
日本の神様と昔話

ヤマタノオロチのメタファー/古事記を読む

どんな文脈で語られた言葉か調べきれなかったけど 「12,13歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる。」 20世紀の歴史学者、アーノルド・J.トインビーがこう語ったという。 神...
日本の歴史と文化

梁塵秘抄の変遷/音読社会から黙読社会へ

今年の大河ドラマ、平清盛はあまり人気がなかったようだね。 いまだ「平家物語」の封印が解けず…敗者の歴史はそんなものか。 さて大河のメインテーマに織り込まれた歌から話を少し広げてみる。 遊びをせんとや生...
しあわせのかたち

語源から読む日・米・仏の職業観

そうか昨年、こんな記事を書いたのか。 何のために働くのか?(11/07/21) なるほどあえて理由を語るなら、今もこんなとこかな。 でもその後、私の信念はもう少しぶっ飛んで、 そもそも人生に意義や目的...
食文化と美食探訪

赤坂ランチマップ/2004~2012

赤坂。 私にとってランチの付き合いが最も長いのがこの街だ。 より大きな地図で 赤坂ランチマップ を表示 そういえば私が初めてこの街でご飯を食べたとき、 まだTBS前の赤坂サカスやミッドタウンの姿はなか...
日本の美意識

岡倉天心「茶の本」を「不完全の美」で要約・編集

不足の美、未完の美、余白の美。そして引き算の美学。 日本文化を語る上で、決して外すことのできないキーワード。 たとえば枯山水庭園は、水を感じることで心の中で完成する。 こうした日本の美意識を「茶道」を...
食文化と美食探訪

自由が丘ランチマップ/2004~09、2011~12

この街とは長い付き合いになったもの。指折り数えれば6年超。 2年間のブランクの後に帰還し、再び美味しいランチを探す日々だ。 復帰後の最新情報を踏まえてお店情報を更新したよ♪ 自由が丘はイメージとは裏腹...
日本の美意識

主客未分の日本的感性/西田幾多郎「純粋経験」

デカルトの世界を読み解く方法の出発点は「我思う、ゆえに我あり」。 人の意識をあらゆる物事の基礎と捉え、主観と客観を切り分けた。 そんなデカルトを意識したのか、西田幾多郎(1870~1945)は、 主観...
日本の美意識

グラデーションの日本美

春は桜から新緑へ、秋は紅葉。 四季の恵みは日本人の色彩感覚も豊かにしたのかな。 色と色の「間」の「あわい」表現の数がハンパない。 和色大辞典 色だけではなく、水墨画や枯山水あたりからはじまる 光と影の...
日本の美意識

うつしの美学/夏目漱石「草枕」

夏目漱石。 当時の先進国に学ぶべく、文部省の命でイギリスへ留学するが、 英文学研究への違和感から、精神に異常をきたして帰国。 帰国後に「我が輩は猫である」を執筆し、文豪への道を突き進む。 自信満々のイ...
古典に学ぶ人生論

料理も人生も「淡い味」がいい/菜根譚・前集7、後集25

明朝末期の随筆集、洪自誠「菜根譚」。 中国では注目されず、日本の儒者が編集・刊行し今に残る。 料理に絡めた人生訓を読むと、なるほど中華より和に近い。 まずは前集7項より。 醲肥辛甘非真味。 真味只是淡...
日本の歴史と文化

万葉仮名の伝統。ラモス瑠偉、キラキラネーム…

古代日本の漢字との出会いからグローバル化を考えた 漢字と出会った日本の選択/グローバル化の日本史 この頃の「万葉仮名」的な感覚は日本の伝統として残ってる。 漢字一文字に和音をあてた万葉仮名の具体例を紹...
日本の美意識

花鳥風月の風は秋色

その起源は憂いに満ちた心を出入りしていた「花鳥風月」。 でも安土桃山時代以降、花鳥は障壁画、蒔絵、着物に舞い降り、 「花鳥の使い」が持っていた、あでやかな色合いを取り戻す。 そして今では、花鳥風月に関...