日本の歴史と文化

文化・思想に潜む「禅」

禅の「無」が潜む、日本の美意識

この世界を理解するには、目に映る美しさだけではなく、 その奥に潜んでいる本質を心で感じることが必要だ。 だから真実を捉えるために、まずは真の自分を究明する。 そんな流れで日本の文化・芸術に「禅」が絡ん...
日本の美意識

電子出版3作目の設計図

もともと日本文化の追っかけをはじめたのは、 日本企業への長期投資のため、って観点もあった。 今という場所で世間と同じ視線で物事を見つめていては、 見えたとしても半年くらいの未来が限界だと思う。 だから...
めくるめく和歌の世界

「会う」より神聖な輝きを持つ「逢う」

なんとなく気になった言葉。 「会う」と「逢う」を微妙に使い分けている気がする。 「会っていながら逢っていないうたが無数にある中で、行きすぎたうたに呼び返される時がある。そうではなく、初めて会ったのに逢...
日本の美意識

ちひさきものはみなうつくし

幼な子、人形の道具箱、蓮の小さな浮葉、ひよこ、瑠璃の壺など、 身の回りの小さなものに「いとうつくし」と喜びを見いだす。 「ちひさきものはみなうつくし」(枕草子151段) 清少納言の想いは別のところにあ...
百人一首

1000年以上も変わらぬ奇跡/百人一首7「三笠の山に…」

百人一首の暗記に挑戦したのは小学生の時。 恋はまだ分からない。日本語もあまり得意ではない。 そんな時期の私が一番最初に覚えたのが、 天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも 作者の阿...
日本の歴史と文化

世界地図を90度回転すると日本は…

日本について話す機会があるとき、必ず使うものがある。 原研哉「デザインのデザイン」で出会った90度回転させた世界地図。 日本のおもしろさや奥深さが、たった1枚の地図でいろいろ語れる! ペリー来航までの...
日本の神様と昔話

山手七福神めぐり

たまに昼ご飯を食べに行くところのそばに、 加藤清正が祀られているお寺(覚林寺)があることに気がつき、 立ち寄って御朱印をお願いしたら、清正公と毘沙門天の二択?! 「山手七福神めぐり」なるものがあること...
日本の美意識

東京の中心が「空っぽ」の不思議

皇居の西側をお花見さんぽ。 「桜だもん」という名に惹かれて、桜田門から歩いてみたが、 実際に桜が増えるのは半蔵門あたりからというドジっぷり。 堀の向こうには未開発の広大な土地が広がっている不思議。 世...
百人一首

「待つ」とは信じ、祈ること/百人一首97「来ぬ人を…」

技術の進歩とともに、待ち時間の短い世の中になってきた。 だから人はしだいに待つことができなくなっていった。 混んでいる急行電車にムリヤリ乗ろうとする バス停で怖い顔をして立っている エレベーターのボタ...
日本の美意識

日本最古の花見と桜歌/日本書紀「履中紀」「允恭紀」

日本の文献で最初に「桜」の美意識が現れるのは、 「日本書紀」の12巻「履中紀」と13巻「允恭紀」。 「履中紀」には最古の花見の記録がある。 「三年の冬十一月の丙寅朔辛未に、天皇、兩枝船を磐余市磯池に泛...
日本の美意識

足利尊氏、弱さの強さ/清水寺願文・梅松論

室町幕府の初代将軍、足利尊氏は不思議な人。 湊川の戦い(1336年)で楠木正成を破って上洛し、 比叡山へ逃亡した後醍醐天皇の代わりに光明天皇を擁立。 その2日後にこんな願文を清水寺に奉納している。 こ...
日本の美意識

遊び上手だった日本人/ホイジンガ「ホモ・ルーデンス」

「ホモ・ルーデンス」とは「遊ぶ人」の意味。 ホイジンガは人間の本質や存在意義を「遊び」に見出し、 文化は遊びのなかに生まれ、遊ばれてこその文化だと説く。 そして世界の遊び表現を紹介する中で日本語にも言...
日本の美意識

太平記に残る佐々木道誉のバサラ

「太平記」を読んでいて面白い人物と出会った。 佐々木道誉。足利尊氏、義詮を支えた足利幕府の立役者。 1340年、妙法院に泊まる延暦寺の山法師とのいさかいから、 妙法院を焼き払い、都を追放されることにな...
日本の美意識

石庭こそが参拝の対象/龍安寺の御朱印

ほとんどの神社仏閣でもらえる御朱印。 もともとは写経を納めた証の受付印だったのだとか。 今では参拝した証にもらえるものになった。 だから社寺名や本尊名が記されるのが一般的だけど、 龍安寺は力強い字で中...
日本の神様と昔話

下鴨神社でワールドカップ勝利祈願

この時代の日本に生まれてこられて幸せなこと。 それはもちろんサッカーで、 ドーハの悲劇とJリーグ開幕(1993) ワールドカップ初出場(1998) ワールドカップ開催(2002) ワールドカップ・ベス...
百人一首

和歌の中の富士山/百人一首4「富士の高嶺に…」

富士山の噴火の最古の記録は781年なんだとか(続日本書紀)。 「天応元年七月癸亥駿河国言富士山下雨灰灰之所及木葉彫萎」 当時の富士山は今の桜島のように常に噴煙を上げていて、 小規模な噴火を繰り返しては...
日本の歴史と文化

言霊を貼り付けた文字には呪能がある

古代日本では言葉には霊力が宿ると考えられていた。 万葉集(3254)にはこんな一首が残されている。 敷島の 倭の国は 言霊の 助くる国ぞ 真幸ありこそ 日本は言霊(コトダマ)が助ける国。 私が「ご無事...
文化で読む日本経済

無縁を望んだ象徴が神のかたち

無縁。 世俗と縁の切れた立ち位置は、かつての理想だった。 無縁は中世の理想郷/徒然草211段 どこの共同体にも属さず、主従関係などもない無縁。 ふと考えれば、それが日本人が神に託した形でもあった。 特...
万葉集

月の語源/時を司る月の神

月の語源は「時」から来ている、なんて話を読んだ。 「ツキ」と「トキ」。うーん…(笑) "Moon"の語源"motion"や"move"には近いか? そういえば万葉集の中に(985)、 古事記にも登場す...
日本の歴史と文化

江戸文化は平安文化のパロディ?

和歌の美的世界は「新古今和歌集」で完成し、 その後は美術品の意匠(デザイン)の一部になる。 藤原定家後の和歌の行方…意匠の一部に?(14/01/21) ふと考えれば美術品だけでなく、 江戸文化にはいつ...