小山薫堂氏は「おくりびと」や「くまモン」で有名な放送作家。
雑誌「dancyu」のコラム「一食入魂」で紹介した(2001~09年)、
600軒から100軒を選んで編集しなおした本。
料理の批評ではなく、幸せにご飯を食べた記録って雰囲気がいい。
そして目を引く一言が散りばめられている。
「おいしいものがわかる能力よりも、おいしいものがあるということに気づく能力のほうが、人生にとっては大切なことだと。」
私たちの味覚は甘味、酸味、塩味、苦味、うま味のたった5つ。
「おいしい!」と感じる判断基準は味覚だけではないだろう。
「食はそのものの味以上に、誰と、どういう風に食べるかが重要なのだ。」
おいしそうにご飯を食べる人との食事をするのが好き。
おいしいものが、よりおいしく感じられるから。
おいしさを共有できる人の存在…お店選びよりも大切だ。
「舌よりも心がうまいと思う店がある。人生には心に栄養を補給するための食事も重要なのだ。」
「店での食事は、料理人の姿勢や気持ちをいただくということでもある。真摯で丁寧な対応は食べ手の心を豊かにしてくれる。」
おいしさとは「味」だけではなく「心」の問題なんだよね。
「美味しい」ってことは「味が美しい」ことなんだから、
「美しい」心でご飯を食べなければ、と私は考えている。
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