ゆめやとあさばの芋料理
新潟の岩室温泉「著莪の里 ゆめや」に宿泊。
客室、温泉、料理、接客のすべてが素晴らしかった。
料理の一品で、びっくりするほど美味しかったのが、
季節を問わず献立に載るという「ゆめや饅頭」。
すりおろした里芋に海老を入れた揚げ饅頭。
こんな里芋の食べ方は初めてで感動した。
芋料理といえば、修善寺「あさば」の「大中寺芋」。
これまで春、秋、冬の3回訪れたことがあるが、
毎回揚げた大中寺芋が晩御飯で出てきて、これが美味。
他の芋とは異なる味わいで、東京で出会ったことはない。
名旅館に名物芋料理?
東京の日本料理では食事代が数万円超の店が増え始め、
多くは高級食材をふんだんに使われているようだ。
推定なのは、いわゆる高級食材にあまり興味がないのと、
旅行代と天秤にかけたら足を運ぶ気にならないから。
一方、料理旅館と呼ばれるような宿の宿泊費は、
1泊2食で数万円とすると、その約5割が食事代と言われる。
ゆえに地元の食材をいかに美味しく調理するかが存続の鍵。
こうして名物の芋料理が生まれるのだろう。
枯れた技術の水平思考
ふと思い出すのが、任天堂のDNAを創造した人物として名高い、
横井軍平氏の活躍を描いた、牧野武文「ゲームの父・横井軍平伝」。
「最先端技術を追いかけるのではなく、使い古されて、価格も安くなっているちょっと古い技術を、一歩引いたところから水平思考してみる。すると、別の使い道が見えてくる。それは世界にひとつしかない商品になるだろう。安く作れて、競争もない。任天堂の成功はまさしく『枯れた技術の水平思考』を踏まえたものだし、今後、日本が熾烈なグローバル経済で生き残っていく鍵は、ここにある。」
高級食材に頼らず、ありふれた食材を美味しく調理する。
地方の料理旅館と任天堂の戦略は同じなのかもしれない。
コメント