変に高級な料理屋が和食文化を破壊する/村田吉弘「ほんまにおいしいって何やろ?」

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京都の老舗料理屋、菊乃井村田吉弘さん。
家で料理をする際に欠かせないレシピ本で日々お世話になり、

また経営に関する発言も多く、興味深く拝読している。

昨年9月に新刊本では、

昨今のグルメブームの風潮を厳しく批判している。


料理屋は「公共」であるべき

料亭や料理屋は大衆に支持されてこそ存続する公共の施設。
極端に高額で富裕層しか行けない店がもてはやされることは、
公共の崩壊であり、料理屋があるべき文化的役割を損ねている。
和食文化が一般大衆から乖離し、将来的に消滅しかねない。

文化ではなく価格を消費する風潮への警鐘

一部の客層は「文化を味わう」のではなく、
単に「値段が高い」というステータスを食べる「輩」だ。
そんな輩の好みに合わせて、席数を減らし予約困難を演出、
輩が群がるような経営は、料理屋のあるべき姿ではない。


最後に京都に訪れた2018年。
京都の日本料理は東京より割高だなと実感し、
またその後は外国人観光客の嵐もあり、足が遠のいた。
あの当時すでにこの傾向を問題視していた書籍もあり、

それがコロナ後に東京にも広がってきたのかな。
もちろんそれまで不当に安かった料理人の報酬の見直しや、
物価の高騰に合わせて、正当な値上げをする店も多いが、
それを隠れ蓑に変に高額な店が急増した実感がある。

村田さんも指摘しているけど、30代前半の若い料理人が、
新規開店時から1人25,000円みたいなのは私もダメだと思う。
同世代のお客さんが手の届かない価格にしてしまったら、
次第に顧客が高齢化していき、20年後は誰もいなくなるのでは?

ほんまに「おいしい」って何やろ?
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