14日にドラゴンクエストⅢのリメイク版が発売され、
小学生の頃のファミコン版以来、36年ぶりに楽しんでいる。
ドラクエ制作に潜む、引き算の美学
この機会にファミコン版当時の話も見聞きするようになった。
特に印象的なのはデータ容量の制約による開発の苦労。
ファミコンカセットの容量は、たったの64キロバイト。
スマホで写真を撮ると写真1枚あたりの容量は約2メガだから、
今の写真1枚にドラクエが32個分収納できるという小ささ。
どんな工夫をしたかというと、
- 「へ」と「り」はカタカナと共有して、カタカナは20文字までしか使わないように。
- 初代ドラクエは、一通り完成した後に2キロバイト足りないことが分かって、1000個の文章の1個につき2文字を削って容量内に収めた。
- モンスターは種類を増やさず、色違いや持っている武器を変えるなどで容量を節約した
- ドラクエⅢで遊び人の奇妙な行動データを収めるために、Ⅲはタイトル画面をなくして真っ暗に。(タイトルロゴはデータが大きいから)
以前まとめた「引き算の美学」という小冊子のなかで、
枕草子の「ちいさきものはみなうつくし」から、
ソニーのウォークマンまで系譜をつないでみたことがある。
ドラクエ制作にも日本の得意な方法が潜んでいたのだ。
リメイク、リバイバルが成り立つには
最近、子供の頃に人気だったアニメやゲームの、
リメイク、リバイバル作品が増えているように思う。
今年配信されたアニメだと、
- うる星やつら(1981~86年)…リメイク
- らんま1/2(1989~1992年)…リメイク
- キン肉マン(1983~1992年)…1992年の王位争奪編終了後の新作ストーリー
私のように懐かしさに喜ぶ人が多いからこそ、
リメイクやリバイバルがビジネスになるのだろう。
人口ピラミッドと照らし合わせてみると納得。
これからは人口が減少していく上に、
今はこれが圧倒的人気!といえるアニメやゲームがない。
「現在ではカルチャーシーンから多数派(メジャー)が消えてしまった。「ナンバーワンよりオンリーワン」が価値観の多様化を促進した結果、趣味や趣向の島宇宙化を招き、「圧倒的多数の、みんなが好きなもの」が激減してしまったのだ。」(稲田豊史「映画を早送りで観る人たち」)
リメイクやリバイバルは徐々になくなっていきそうだ。
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