私たちがよく目にする松尾芭蕉の絵。
「おくのほそ道」を旅する姿を描いたものとされるが、
お坊さんでもないのに僧形なのは、西行のコスプレだからだ。
そんな主張をする能楽師、安田登さんの本に驚いた。
もともと知っていた芭蕉と西行の関係といえば、
平安時代の末期、平清盛により焼き討ちにあった東大寺再建のため、
鎌倉の源頼朝、東北の藤原秀衡への勧進の旅に出かけたのが西行。
そして最晩年の西行がみちのくへ向かった旅になぞらえて、
西行没後500年を記念して、その足跡をたどる旅をしたのが芭蕉。
私の認識はこの程度だったが、「おくのほそ道」には隠れた使命があり、
平泉の源義経の霊を鎮魂し、その怨霊化を食い止めること。
その手本となるのが、現在も歴史上、最強の怨霊と言われることもある、
讃岐の崇徳院の怨霊を鎮める旅をした西行だった。
だから芭蕉は同じ使命を成し遂げた西行のコスプレをして旅立ったという。
ドラゴンクエストシリーズで、かつての勇者が見つけた
「ロトの装備」や「天空の装備」を身に着けてボス戦に臨む。
というのと同じ感覚ってことだよね。こんな考え方があるとは!
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