「知る→好む→楽しむ」と心は躍る/「論語」雍也第六

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ブログに良いタイトルつけたなぁと思わせてくれる論語の一節。

「子の曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(論語・雍也第六の二十)

ごく簡単に言うと「知る < 好む < 楽しむ」ということ。
右にいくにしたがって、気の持ちようが変わり、成果も段違いになる。

もちろん純粋に金銭欲からはじめた投資だったが、
すぐに世の中のことをもっと知りたいという知識欲に変わり、
やがて趣味と仕事の境もなくなり、職業「遊び人」を自負する謎の人生へ。
※遊び人はレベルが上がればダーマ神殿で「賢者」に転職できるのだ!

渋澤栄一が「論語と算盤」の元になる講演をしていた当時、
「趣味」という言葉が流行語になったらしい。
渋澤は論語の同じ一節を引用しながらこう語る。

「たとえどんなことでも、自分のやるべきことに深い「趣味」を持って努力すれば、すべて自分の思う通りにならなくても、心から湧き出る理想や思いの一部くらいは叶うものだと思う。」

楽しんで続けられる対象は、なるべくたくさんあった方がいいだろう。
お金に変えられるものがないと困るから、どれか当たればラッキーみたいな。
だからいろんなものに触れて、楽しむことができる対象を増やしていきたい。

そしてその原動力となるのは「好奇心」。
好奇心が減退していないかどうか簡単に知る方法がある。

睡眠時間」である。

「睡眠は脳や体をクールダウンするための休息時間では決してなくて、もっと積極的に情報の整理や保管を行うための活動的な「行為」である。」 池谷裕二「単純な脳、複雑な私」P82

「子供がたくさん寝るのは、昼の間にたくさんの新しいことを編集し定着させるために必要だからに違いない。私は最近、1日の睡眠時間がめっきり減ってきた。昔は八時間寝ないとダメだったのに、今は五時間でへ平気だ。頭が硬直化してきて、昼間に刺激的な新しいことを学ばなくなったから、定着のための睡眠時間があまりいらなくなったのかもしれない。」前野隆司「脳はなぜ心を作ったのか」P162

最近、睡眠時間が短くなった気がする、という方は危険サイン。

昼の間の出来事を脳に記憶させる行為が睡眠。
新しい刺激や感動が多いほど、記憶の定着に時間がかかるのだ。
つまり日中、好奇心いっぱいに過ごせば、夜はぐっすり寝られるということ。

脳に蓄積される記憶の量を増やすことがなぜ大切なのか?

人の発想は蓄積された記憶の範囲内に限定されるからだ。
だから何らかの方法で記憶を広げる努力をしない限り、
私たちの思考や判断は限定されてしまうということになる。

孔子の説く「知る → 好む → 楽しむ」という歩みの裏では、
「好奇心 → 感動 → 睡眠 → 記憶 → 発想」が動いているはずなのだ。

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