歩くことの重要性と現代人の座りすぎ問題を解説し、
足本来の力を取り戻すための靴選びまで紹介した一冊。
歩けばアイデアが舞い降りる
アメリカでは「ウォーキングミーティング」という言葉があるらしい。
歩くことで創造性が増すことは、過去の偉人達も気づいていた。
ヒポクラテス「歩くことは人間にとって最良の薬である。」
ルソー「散歩には、何かしら私の思考を刺激し、活気づけるものがある。」
キルケゴール「歩き続ければ、すべては上手くいく。」
ニーチェ「真に偉大な思想はすべて、散歩中に浮かんでくる。」
ラカン「我々は脳で考えていると思っているが、私は足で考える。」
私も実感していることが一つある。
東京市場で株価の暴落が起きている時は、
- 前場は目を付けていた企業の状況を再確認
- 昼ご飯を食べた後に40~50分ほど周辺を散歩
- 後場に買い
という手順を踏むと良い買い物ができる。
逆に昨年2024年8月5日の暴落の時にほとんど何もできなかったのは、
真夏で昼間の散歩ができなかったせいだと考えている。
歩くことの大切さ
本書で紹介されている歩くことに関する研究
- 55~80歳に毎日40分の散歩を続けさせたところ、1年後には海馬の体積が2%ほど増加。年齢にして1~2年若い状態に戻る。“Exercise training increases size of hippocampus and improves memory”(2011)
- 週150分のウォーキングをすると、何もしない人に比べて3.4~4.5年寿命が伸びる。“Leisure time physical activity of moderate to vigorous intensity and mortality: a large pooled cohort analysis”(2012)
ティム・クックはアップルウォッチの発表時(2014)、
1時間に1回立ち上がるように通知するアプリを紹介する際、
「座ることは新しい喫煙である“Sitting is the Smoking.”」
また座っている時間が長時間に及ぶと、
心臓病、糖尿病、乳がんや大腸がんのリスクが増大する
ことが分かっており、
これは運動で相殺しようとしてもできないものらしい。
現代の靴の問題点と適切な靴選び
私たちの全身の骨の数は206個。うち足の骨は左右合計で56個。
これだけでも足の重要性は明らかだが、現代人の足は弱体化している。
現代の多くの靴はつま先が細すぎる。
先の尖った靴は中世の富裕層が身分を顕示するためのもので、
それが未だにファッション性と結びつき、現代人の足を痛めている。
そして有名ブランドのスニーカーは、
アスリート向けにソールの厚さや反発性が重視されたものに由来。
だから一般人にとっては筋肉を使わないで歩いているようなもの。
歩いていて楽ということは、足が弱体化させていると心得よ。
著者のオススメは「ベアフットシューズ」と呼ばれる、
裸足に近い感覚を重視し、つま先が広く、クッション性が低いもの。
初めて履くなら「Altra」というメーカーがいいとのこと。
早速今年2月にOPENした東銀座の旗艦店へ行って買ってきた。
今までで一番足にフィットしたAsicsのシューズと並べてみる。
左がAltra、右がAsics。
並べてみるとつま先が広くなっているのがよく分かる。
元々厚底は嫌いだったから、ソールの厚さはそんなに変わらないかも。
これから足がどんなふうに変わるのか楽しみだ。
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