小説思考≒投資思考?/小川哲「言語化するための小説思考」

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SF要素が含まれたライトノベルに描かれた近未来
それが投資で大きなリターンを得るきっかけにもなり、
SF作家はどのように小説を作っているのか?と気になった。
そんな疑問にピッタリな本が昨年秋に出版されていた。

昨年末にNHK放送100年特集でドラマが放送されていた、
SF小説「火星の女王」の著者が、

「言葉を生み出す過程で働いている思考の動きを言葉にする」

ことを目指して書いたという一冊だ。

この本の8章「なぜ僕の友人は小説が書けないのか」で、
著者の語る小説のアイデアの掴み方が書かれている。

私が銘柄スクリーニング機能などを一切使わず、
投資候補企業を探索する方法と似ていて興味津々。

「主張」や「設定」から発想しようとしていても、
誰にでも思いつくものだったり、逆に専門性が高すぎたり、
小説には向かないアイデアになりがちと著者は説く。

「主張」や「設定」は後から考えるべきで、最初に考えるべきなのは「書いてみたいこと」や「考えてみたいこと」だと思う。自分が小説という手段を通じて「書いてみたいこと」や「考えてみたいこと」は何なのかを考える。言い換えれば、大事なのは「答え」ではなく「問い」だ。それ自体は陳腐で構わない。その時点で自信がなくてもいいと思う。小説の面白さは、執筆の過程でかならず生まれてくる。創作する上で気をつけなければならないのは、過程で生まれてきたディテールに宿る「面白さ」の種を逃さないことだ。

たとえば原稿の執筆を通じて、複数の「問い」が生まれ、
それが次なる小説の種になっているという。

小説のアイデアに必要なのは、いわゆる発想力などではなく、偶然目の前に転がってきたアイデアをしっかり摘み上げる能力なのではないか。

上記の話を私なりに投資の世界に結びつけると、
「主張」や「設定」から小説を書こうとすることが、
銘柄スクリーニング機能で投資先を探すことに当たる。

もちろん、かつてはそうした方法も試みていた時期もあるが、
私の場合は、長期で持ち続ける動機に結びつかずに、
そこそこのリターンで手放し、後で後悔することが多かった。

やはり「考えてみたいこと」や好奇心から生まれた「問い」が、
投資先企業とうまく結びついていると、うまくいくように思う。

そして「偶然目の前に転がってきたアイデア」をいかに掴むか?
これについて本書にヒントが明示されていないが、
これまで私が考えてきたことをザッと列挙しておくと、

  1. やってくる偶然に気が付くには、偶然を迎えにゆく努力が必要だ。
  2. 投資も人生も賭けに参加しなければ、偶然の幸運に出逢うことすらない。
  3. 運を実力と勘違いしない。現時点の幸運がまた別の運によって大きく左右されることもある。
  4. 欲を捨て、引き際を見極める。まぐれにすぎない幸運は、すぐに私たちのもとを去ってゆく。
  5. 再現性の低い偶然が未来を決める。判断の足かせとなる過去の知識や経験を捨てろ。
  6. 好奇心を持ち続ける。好奇心が偶然の幸運と出逢う確率を高めてくれる。
  7. 王道はない。高速道路を降りて、道しるべのない道を進むことで掴める幸運もある。
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