古典に学ぶ人生論

宮本武蔵「五輪書」

瀬戸をいかに渡るか/宮本武蔵「五輪書」火の巻

宮本武蔵の「五輪書」を初めて読んだ。 火の巻で語られる、絶妙の「間合い」とは何か? 武芸だけにとどまらない教訓をざっくり編集すると、 「渡を越すといふは、たとえば、海を渡るに瀬戸という所もあり、または...
道元「正法眼蔵」

私はどこに存在するのか?/正法眼蔵・相対性理論

私たち人間は約60兆個の細胞からできている。 そしてそのうち数千億個の細胞は1日の間に生まれ変わる。 細胞レベルでは絶えず更新されていく私たちのカラダ。 流れゆく細胞の中で「私」は「私」をどこで認識し...
兼好法師「徒然草」

兼好法師の名人讃歌/徒然草92、109、110段など

一度きりの人生だから、やりたいことに思いっきり打ち込んで、 名人や達人、師匠などと呼ばれるところまで行きたいもの。 「徒然草」は理想の生き方を追い求めた記録でもあり、 そこには兼好法師が憧れた名人が描...
兼好法師「徒然草」

まずは環境を整える/徒然草58、85、157段

生きてある日は今日ばかり、との死生観から、 「いつやるか? 今でしょ!」と徒然草で説いた兼好法師。 では私たちは何から手をつければいいのか? 「「道心あらば、住む所にしもよらじ。家にあり、人に交はると...
古典に学ぶ人生論

世間に流されないための禅語

日本の株式市場についてコメントを、なんて言われても… 大きな利益と損失が短期間に集中するのが証券市場ってもの。 だから市場は普段通り。つられる人の心に問題があるのだ。 今、なんとなく収集している「禅語...
兼好法師「徒然草」

いつやるか? 今でしょ!/徒然草59、155、188段

人生で大切なことのほとんどは「徒然草」に書いてある。 中身カラッポの自己啓発本ではなく古典を読むべし! 最近はやりの予備校講師のことばが胸を打つ。 「いつやるか? 今でしょ!」 これは兼好法師が「徒然...
古典に学ぶ人生論

年齢別の人生論を収集中

古典に描かれた年齢別の人生論。 日本人ならやはり世阿弥「風姿花伝」は外せない。 世阿弥の年齢別人生論/風姿花伝・年来稽古条々 でも一般的に有名なのは孔子「論語」。 「子の曰く、吾れ十有五にして学に志す...
私の人生観

世を捨てても世に捨てられずに生きる

ちょうど5年前。 運転免許の更新で10年前と写真を比べて衝撃を受け、 35歳での隠居を宣言した。→その時の記事 今日から1年以内に何らかの決断を!ってことになるけど…この5年間、いろいろ試しながら、真...
古典に学ぶ人生論

しなやかな水のように/老子(8、67、78章)

「弱さ」にこそ「強さ」の源がある。 こんな不思議な反転を初めて指摘したのは、老子だと思う。 私の考える老子の根幹は「水のようにしなやかに国を治めよ!」。 「しなやかに生きろ!」と人生訓に読みかえること...
日本の美意識

兼好法師の月見/徒然草137段など

便利な時代になった。 徒然草に描かれた兼好法師の「月」観を知りたい!と思えば、 どこの段に書かれているかあっという間に収集できる。 兼好の月への愛は21段の 「よろずの事は、月見るにこそ慰むものなれ。...
古典に学ぶ人生論

「君主論」の根幹は、運命・力量・時代性

たまに読み返す塩野七生「マキアヴェッリ語録」 。 「君主論」で権謀術数を駆使してでも国家を統治べきだ! と主張した怖い人、というのが一般的なイメージかな。 でもマキアヴェッリの言葉に触れてみると意外と...
古典に学ぶ人生論

世阿弥の年齢別人生論/風姿花伝・年来稽古条々

2年前に紹介した内容だけど、最近になって心から反省し、 世阿弥を例に「やはり人生50年だ!」と周囲に力説してるので再編集。 能の大成者、世阿弥の書いた能楽論「風姿花伝」。 その第1章に掲げられる「年来...
兼好法師「徒然草」

徒然草の「あらまほし」生き方

徒然草には「あらまほし」がよく出てくる気がしたので編集。 「あらまほし」は今の言葉で「こうありたい」って感じだから、 集めてみれば兼好法師の人生観が見えてきそうじゃない。 やっぱり目につくのは隠遁生活...
古典に学ぶ人生論

人に必要な広さ

もっと広い家を買いたいから住宅ローンを多めに借りようかと… その段階で相談されても、困るんだけどね。。。 私の同世代(30代半ば)は35年ローンを組みたがるものなのか? まぁローンの話はいったんおいと...
古典に学ぶ人生論

数寄者は名利を求めるべからず

自分が好きで続けていることに理解者など必要ない! 「好き」と同じ読みのことばに「数寄」と書くことばがある。 「数寄というは、人の交はりを好まず、身のしづめるをも愁へず、花の咲き散るをあはれみ、月の出入...
古典に学ぶ人生論

料理も人生も「淡い味」がいい/菜根譚・前集7、後集25

明朝末期の随筆集、洪自誠「菜根譚」。 中国では注目されず、日本の儒者が編集・刊行し今に残る。 料理に絡めた人生訓を読むと、なるほど中華より和に近い。 まずは前集7項より。 醲肥辛甘非真味。 真味只是淡...
道元「正法眼蔵」

無欲にして万物の妙を見る/道元「身心脱落」

無欲であれば万物の本質(妙)に迫ることができるが、 欲があればその表面上の形(徼)に触れることしかできない。 「常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。」 老子の冒頭で語られた金言...
古典に学ぶ人生論

今を信じることの大切さ/僧璨大師「信心銘」

中国禅の系譜は「達磨大師→慧可大師→僧璨大師」と流れる。 僧璨大師が残した、心を信じることを説いた銘文「信心銘」。 戦前の禅の研究者、鈴木大拙が、 「堂々たる哲学詩であり、禅旨の大要はこれで尽きている...
兼好法師「徒然草」

真の専門家とは?/徒然草167、168段

専門的な知識・経験を得ることで、失われる無知の知。 自説を否定されるような真実から目を背けがちになる専門家。 → 専門的な知識・経験と無知の知(12/10/27) そういえば真の専門家のありかたが「徒...
古典に学ぶ人生論

内なる貧しさに豊かさがある by エックハルト

すべてを捨てた先に真の豊かさがある。 そんな教えを説いた一遍上人(1239-89)が現れた鎌倉時代。 ヨーロッパでも同じような思想を持った人物が現れていた。 キリスト教神学者、マイスター・エックハルト...