縁のあたりを打て/宮本武蔵「五輪書」水の巻

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やってくる「瀬戸」の「景気(=気配)」を見切る智力を磨き、
適切な「場」を見極めることで、「渡を越し」ていく

それが「火の巻」のポイントと読んだ。

二天一流の太刀すじを説いた「水の巻」にも面白い章がある。

縁のあたりと云ふ事。我打出す時、敵打ちとめん、はりのけんとする時、我打一つにして、あたまをも打ち、足をもうつ。太刀の道一つをもって、いづれなりとも打つ所、是縁の打也。此打、能々打ちならひ、何時も出会ふ打也。細々打ちあひて分別あるべき事也。

どこを打つかは相手と自分の「縁」しだい。

自らの必殺技で行くわけでも、相手のスキをつくわけでもない。
相手との縁が感じられれば、縁の「あたり」を打て、と説いている。

武蔵の「あたり」という言葉は、

  • あたるはゆきあたるほどの心
  • あたるはさわるほどの心

進んでいったら突きあたった、という触るような感覚。

偶然幸福、そして生死を分ける勝負でさえも、
内側でも外側でもなく、すべての答えは「間」にある。

流れる水の如く、しなやかに「間合い」を見極めることが大切だ。

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