古典に学ぶ人生論

古典に学ぶ人生論

捨聖・一遍上人のことば

氾濫する情報、パーソナライズ化された情報といかに向き合うか? 投資家として、知的生活に憧れる凡人としての私の重要テーマ。 最近では日経新聞の購読をやめ、情報源を捨てる努力もしている。 「捨てる」ことは...
兼好法師「徒然草」

無縁は中世の理想郷/徒然草211段

無縁。 今では社会問題を表す言葉になっているけど、 鎌倉時代には「遁世」や「隠遁」は知識人の憧れだった。 徒然草211段にもそれがよく現れている。 万の事は頼むべからず。 愚かなる人は、深く物を頼む故...
お薦めの本

ヘタな自己啓発本より世阿弥「風姿花伝」

「成功の法則」といった安っぽいタイトルの本を読むくらいなら、 能の魅力を「花」に例えた世阿弥の能楽論「風姿花伝」。 舞台を成功させるための「まことの花」を追いかけて、 年齢別の稽古論を説いてみたものの...
古典に学ぶ人生論

福を求める欲を捨てよ/夢窓国師の幸福論

仏教を学んだ足利直義(尊氏の弟)が「真の幸福とは何か?」と 禅僧・夢窓国師に教えを求めた問答を「夢中問答集」から編集。 仏の教えはなぜ幸福を求めることを抑えるのか?という直義の問いに、 「福を求むる欲...
古典に学ぶ人生論

白楽天「中隠」/官と隠のはざまを生きる

隠居するにはまだ若く、未だ出家するほどの決心も着かない。 富や名声への関心は極めて薄いが、食欲だけは捨てられない。 万人にいい顔はせず、頼りにしてくれる人だけに誠意を尽くす。 暇すぎるのは苦痛ゆえ、依...
お薦めの本

ヘタなビジネス書より井原西鶴

ビジネス書と呼ばれる本は基本的にくだらない。読むだけ時間のムダ。 もし読むのなら、新刊ではなく、時の風化に耐えた本がいいだろう。 というわけで、江戸時代の井原西鶴「日本永代蔵」なんてどうかな。 仕事と...
お薦めの本

古代ローマの無常観/セネカ「生の短さについて」

「無常観は日本特有のものですか?」とお便りいただいたので。 日本特有のものではなく、むしろ日本は世界に遅れてたと言えるかも。 たとえば「徒然草」(14世紀)に似た書物が古代ローマ(1世紀)にある。 皇...
兼好法師「徒然草」

億万長者になるための5ヶ条/徒然草217段

今日は兼好法師が大富豪に聞いた億万長者になる方法を紹介したい。 平清盛が日宋貿易に力を入れた頃から、貨幣(銅銭)が日本に流入。 兼好の生きた14世紀前半は、貨幣経済が本格的にはじまった頃なんだよ。 で...
古典に学ぶ人生論

守破離の来歴と礼讃

文化・芸能以外の分野で「守破離」を目にすることが増えたような。 既存の型を守り、型を破って外に出て、型を離れて新たな型を生む。 そんな「守破離」はどこからやってきたのか? 世阿弥の「風姿花伝」の一節が...
古典に学ぶ人生論

夢窓国師の見た夢/夢中問答集64話

夢中問答集は禅僧・夢窓国師と足利直義(尊氏の弟)の問答集。 京都・天龍寺で繰り返されたという両者の問答の内容はもちろん、 記録・編集・印刷といった裏方の腕の良さも組み合わさり、 日本における出版の歴史...
古典に学ぶ人生論

意味に餓える社会。その意味ってお金なの?

「それって何の意味があるの? 将来何の役に立つの?」 みたいに問いかけられてばかりの気がする。(15歳の頃にはすでに…) 「意味? そんなの考えたことないけど…」とモヤっとしてたけど、 最近になってか...
古典に学ぶ人生論

数寄者とは?/出家と遁世の鎌倉時代

「数寄」が気になり、茶人の言葉を探ったことがあった。→該当記事 その後も調べていると、鎌倉時代の古典で「数寄」に出会うことが多い。 東日本大震災後、「方丈記」が災害記録として注目された鴨長明。 そうい...
道元「正法眼蔵」

道元の時間論/正法眼蔵・現成公案

投資を通じて一番ひっかかったのは、現在・過去・未来の捉え方。 投資理論で主流の数学的な切り口では、満足できる答えは得られず、 今は「時」「偶然」「運命」といった哲学の分野に答えを求めて旅してる。 おそ...
兼好法師「徒然草」

価値観の変化?-Facebookの流行と徒然草56段

最近「Facebookやってないの?」と知人に聞かれることが増え、 「とっくの昔にやめた」と答えると、「やっぱ変わってるよね」と言われる。 周囲が騒ぎはじめると立ち去る、投資家の変な習性だろうか…。 ...
日本の美意識

兼好の桜観/徒然草137、139、161段

「徒然草」の桜と言えば、真っ先に思い当たるのはこれだろう。 「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。・・・咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。・・・すべて月・花をば、さの...
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行方も知らぬわが思ひかな-西行、最期の旅

東日本大震災の直後、こんなニュースが目を引いた。 奈良・東大寺が銀行から1億円を借り入れて寄付。 大仏建立時や鎌倉期の復興の際、東北にお世話になったからと…。 平安時代の末期、平清盛により焼き討ちにあ...
古典に学ぶ人生論

人間死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも…/ヘロドトス「歴史」

その死によって美学が完成する、西行の人生を追いかけていると、 ヘロドトス「歴史」のソロンの言葉を思い出す。※全文は末尾に 「人間死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも幸福な人と申すのは差し控えねばなりません...
道元「正法眼蔵」

生死の悩みから離れるために/道元「正法眼蔵」

枯山水から「禅」と遭遇し、道元の「正法眼蔵」と格闘中。とにかく長い。 人はどうすれば生死の悩みから離れることができるのか? そんなことを論じた「生死」の巻が目にとまったので軽く紹介。 道元は生死の悩み...
古典に学ぶ人生論

技術革新と機心(荘子)

「荘子」外篇・天地第十二に出てくる「機心」って聞いたことあるかな。 「機械有るものは必ず機事あり。機事有るものは必ず機心あり。機心胸中に生ずれば、則ち純白備わらず。純白備わらざれば、則ち神生定まらず。...
兼好法師「徒然草」

叶わぬ恋ゆえの無常/徒然草に秘められた想い

徒然草の主題は「無常」だけど、その心は宗教的なものではなく、 今この時を生きる大切さを説いたもの。→前回紹介した記事へ では、兼好の無常観はどこから生まれたのか? あまり語られることのない、徒然草の悲...