宮本武蔵の「五輪書」を初めて読んだ。
火の巻で語られる、絶妙の「間合い」とは何か?
武芸だけにとどまらない教訓をざっくり編集すると、
「渡を越すといふは、たとえば、海を渡るに瀬戸という所もあり、または四十里五十里いも長き海を越すをも渡といふなり。人間の世を渡るにも、一代のうちには、渡を越すといういう所多かるべし。」
今の時代、相対するのは剣を持った敵ではない。
「瀬戸」をいかに感じとり、それを「渡って」いくかが大事。
人生にたびたびおとずれる「瀬戸際」のことだ。
「物事の景気という事は、我が智力強ければ必ず見ゆる所なり。」
瀬戸際が目の前に来てから気付いていては渡れない。
やってくる「瀬戸」の「景気(=気配)」を見切る智力を磨き、
「場の位を見分くる所、場において日を負うと云ふ事有り・・・いずれも場の得を用いて、場の勝をうるといふ心専にして、よくよく吟味して鍛錬あるべきものなり。」
適切な「場」の上で勝負し、乗り越えてゆくのだ。
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