人生の哲学と科学

世界を読み解く方法

アブダクション、連続性、学びの作法/パース「連続性の哲学」

書店で「仮説○○」というタイトルの本が並んでいるのを見て、十数年前に挫折した岩波文庫をもう一度、手にとってみた。 パース「連続性の哲学」チャールズ・サンダース・パース(1839-1914)は、推論や探...
世界を読み解く方法

学習過程を探究の過程とするための方法

物事を俯瞰して捉え、自己の在り方を問い続けるために、学習過程を探究の過程にすることが重要、というような話が、文部科学省の学習指導要領に載っていた。 総合的な学習(探究)の時間(文部科学省ウェブサイト)...
世界を読み解く方法

何気ない日常にいかに驚くか?/九鬼周造「驚きの情と偶然性」

「好奇心はどのように生まれるのか?」最近ちょこちょこ書き留めている気になるテーマのひとつ。 好奇心はどのように生まれるのか?(22/12/13) 好奇心を持ち続ける(23/01/01) 好奇心の源は「...
情報と知性

文字、索引、Google、AIに対する懸念はすべて同じ/デニス・ダンカン「索引の歴史」

この世のすべての情報に索引を付ける。それがGoogleが目指していることだと捉え、書物における索引の歴史を読み解けば、何かが見えそうだ。 デニス・ダンカン「索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明」索引は...
古典に学ぶ人生論

君主論の運命・力量・時代性。力量とは…

マキャベリの名著「君主論」で掲げられた名君の条件。 運命(Fortuna/フォルトゥーナ) 力量(Virtu/ヴィルトゥ) 時代性(Necessita/ネチエシタ)これに初めて出会ったのは、塩野七生「...
情報と知性

ピーター・バーク「博学者 知の巨人たちの歴史」

株式投資を本業とし、余裕ができる時間を読書に充てれば、「博学者」や「知の巨人」への道が拓けるかも?なんてことを密かに思ってから10年以上が経過しているが、橋にも棒にも引っかからず、単なる趣味人どまりの...
お薦めの本

色あせ始めた? カーネマン「ファスト&スロー」

ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」。著者がノーベル経済学賞を受賞したことで、今度も読みつがれる名著になるだろうと思っていたが…。最近、立て続けにその内容に疑問を呈する本に出会った。 スチュアー...
世界を読み解く方法

世界を読み解く方法を求めて

株式投資をはじめた当初は、お金を殖やすことが最大の目的。就職活動の時期が就職氷河期と呼ばれた時代にあたり撃沈。株式投資で世間を見返してやる!という意気込みだった。それから約5年経って、このブログをはじ...
世界を読み解く方法

微分・積分とたわむれる

今年9月に発売された、小林俊行「地力をつける微分と積分」。東京大学の文科1、2年生向けの数学の講義で、壁際に立ったり、床に座ったりする学生がいるほど超人気。 立ち見・床座りでも聴きたい、数学の講義(R...
私の人生観

職業「遊び人」宣言から10年

ドラゴンクエストⅢのリメイク版が来週発売。思い出深い作品なので予約注文している。小学生の頃は、職業「遊び人」のキャラクターを育てると、ダーマ神殿で「賢者」に転職できることを、ただ笑うばかり。そのまま忘...
宇宙を読み解く科学

レス・ジョンソン「人類は宇宙のどこまで旅できるのか」

20世紀末にNASA星間推進研究のリーダーを務めた物理学者が、星間旅行は可能だ。ただ猛烈に困難なだけだ。人類に、この困難を引き受ける覚悟はできているだろうか?と問いかける一冊、レス・ジョンソン「人類は...
世界を読み解く方法

「数字まみれ」の現代が私たちに与える影響

ミカエル・ダレーン、ヘルゲ・トルビョルンセンの共著「数字まみれ」。邦訳の副題には、「なんでも数値化がもたらす残念な人生」とあり、原題は「MORE. NUMBERS. EVERY. DAY.」。かつては...
人工知能をめぐる議論

脳にチップを埋め込むしかない?!

いわゆるホワイトカラーの仕事で生成AIの活用が広がる中、個々の業務遂行能力に残酷なほどの格差が生まれそう。そんな世の中の雰囲気に触れて、自分の間違えに気が付いた。脳にチップを埋め込むなんて気持ち悪い話...
情報と知性

インターネットの世界化についての8つの懸念(by 松岡正剛)

私たち人間は外からのショックを受けてはじめて、好奇心が立ち上がり、考えを巡らすようになる生き物。そんな捉え方もできるので、 好奇心はどのように生まれるのか?(22/12/13)先月、松岡正剛さんが亡く...
世界を読み解く方法

梶谷真司「問うとはどういうことか」

タイトルに惹かれて読み終えた後に、同じ著者の「考えるとはどういうことか」という、似たタイトル本を読んでいたことに気が付いた。「考える」ことについて、目を引いたのはこんな記述だった。 分からないことを増...
世界を読み解く方法

東浩紀「訂正する力」から、文化・投資・人生を考える

先日の収録の際、rennyさんからご紹介いただいた、東浩紀「訂正する力」を読んでみた。気になったポイントをざっとまとめておくと、 「訂正する力」とは、過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を...
投資で創った人生哲学

松岡正剛さんに心より感謝

私の投資家人生で大きな影響を受けた方が二人いる。まずは将棋の羽生善治さんには、勝負との向き合い方や、心の持ちよう、物事の見方などを学ばせていただいた。このことはブログ等で、たびたび言及してきた。 私に...
世界を読み解く方法

不確実性を求めて旅へ

地元のレストランの料理が劇的に変わった。「シェフが変わったの?」と尋ねてしまうほど。前月に徳之島を訪問し、現地の食材に触れたことで、新たな料理が生み出されたようだ。眠っていたシェフの能力を旅が引き出し...
世界を読み解く方法

人口動態のトリレンマ

トリレンマ。3つの選択肢のうち2つを選び、残り1つを捨てること。トリレンマで世界を読み解くと意外とわかりやすいことが多く、これまで金融政策など、いろいろな書物で出会ってきた。 「時間かせぎの資本主義」...
生成AIで遊ぶ

時を読み解く。十数年に渡る探求のまとめ。

「時」というテーマに関心を持ったのはリーマン・ショックの頃。株価が大きく変動する時は、普段より時間が早く進むように感じた。以来、時にまつわる気になる記述と出会うたびにメモを残してきた。それらすべてのブ...