人生の哲学と科学

中国古典

本当の強さとは?/荘子・達生篇「木鶏」

大相撲の1939年1月場所。70連勝がかかった一番で敗れた横綱、双葉山が、師匠と仰ぐ安岡正篤にこんな電報を送ったという。 「イマダモッケイタリエズ(未だ木鶏たりえず)」 その「木鶏」の由来は「...
世界を読み解く方法

読書はネット社会への抵抗だ!/デヴィッド・L・ユーリン「それでも、読書をやめない理由」

2010年にアメリカで出版され、2012年に翻訳された、デヴィッド・L・ユーリン「それでも、読書をやめない理由」。 原題は“The Lost Art of Reading: Why Books Ma...
世界を読み解く方法

知識分類のはじまり(16、17世紀)/ピーター・バーク「知識の社会史」

ピーター・バーク「知識の社会史」の第5章「知識を分類する」。ここに描かれたヨーロッパにおける知の整理が面白かったのでメモ。 知の分類に関する論争 1400年頃のミラノの大聖堂の建築における石工と建...
世界を読み解く方法

ロジェ・カイヨワ「循環的時間、直線的時間」

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響による経済見通しを語る時、決まって2003年のSARSの時の株価や経済統計が持ち出される。 この手法で未来の何が分かるのだろう?とモヤモヤを感じながら、た...
ラッセル&アランの幸福論

自分を幸せにできない人に、他者の幸福を語ることはできない。/アラン「幸福論」

幸せな人生を送る人は、人の痛みが分からないと揶揄されることがある。単なる妬みというよりも、不幸や悲しみの上にしか美徳は存在しない、という奇妙な先入観に由縁するように思える。 三大幸福論と称されるうち...
中国古典

理想は「やむをえず」の境地にある/荘子・刻意篇

「やむをえず」という言葉の源流は、荘子にあるようだ。 刻意篇では聖人を目指そうとする次の五つのタイプを示した上で、 世俗から離れ、高らかに理想を論じて世間を見下す者 人々に仁義忠信を語り、徳...
中国古典

孔子と荘子。未来に対する姿勢の違い。

将来の目標に突き進むことを美徳とする世間の考え方がなんか嫌い。そんな話を先日書いたのだけど、ふと気が付いたことがある。これは孔子と荘子のどちらを支持するのか?という違いかもしれない。 「論語」の一節...
お薦めの本

生きるとは、分からない世界から分かることを増やすこと/中屋敷均「科学と非科学」

サイエンスエッセイ、中屋敷均「科学と非科学」がおもしろい! 本書の第七話「科学と非科学のはざまで」は、2019年の東京大学の入学試験にも採用された名文だ。 まず「カオスの縁」という概念を出だしで説...
しあわせのかたち

夢は叶った後に気づきたい

正月休みが終わると「今年の抱負」を語らう習慣がある。 世間では将来の夢や目標を持つことが美徳されるが、明確な目的を持ってそれに突き進む人生はなんだか息苦しい。 今を生きることが不確実な未来のための...
しあわせのかたち

変な人になれなければ、変な人を心に棲まわせる。

このブログは記憶のバックアップ装置として続けており、その目指す編集方針は「英知を求める変人の森」だろうか。 私にとっての「英知を求める人」とは、 明確な夢や目標などは持たず、 たとえ経...
古典に学ぶ人生論

文字・印刷術により低下した記憶力。そしてGoogle…

自ら生み出した技術によって、人間が本来持っていた能力が失われていく。 とくに記憶力はこれまでの人類史において、何度か危機にさらされており、思いつくまま並べていくと主に以下の3つだろうか。 文...
中国古典

温故知新。その解釈の歩み。

温故知新。 子曰、温故而知新、可以為師矣。(子曰く、故きを温ねて新しきを知る、以って師と為るべし。) この論語の一節から派生して、今では誰もが大意を知る四字熟語として定着している。 しかし過...
世界を読み解く方法

西田幾多郎「善の研究」100分de名著メモ

7年前に「善の研究」の改訂版が出たのを機に挑戦しようとしたが、出だしの部分に禅と茶道を混ぜ合わせ、深入りせずに挫折してしまった。 主客未分の日本的感性/西田幾多郎「純粋経験」(12/12/0...
お薦めの本

芥川龍之介の人生論「侏儒の言葉」

芥川龍之介「侏儒の言葉」。 石黒圭「読む技術」で引用されていて興味を持った。ラ・ロシュフコー「箴言集」に似た味わいだ。 題名の「侏儒(しゅじゅ)」の意味を大辞林を引くと、 こびと。一寸法師。...
古典に学ぶ人生論

いかに学ぶか?/「論語」為政第二・述而第七・泰伯第八

論語は読み始めると止まらなくなる。そしてテーマごとに編集したくなる。 孔子は「学び」についてどう説いていたのか? ごく簡潔にまとめるなら四字熟語にもなっている「温故知新」。語源となった一節は、 ...
中国古典

孔子は富をどう説いたか?/「論語」里仁第四・述而第七・憲問第十四

渋澤栄一の「論語と算盤」を読み直していたら、なんとなく論語が「富」に言及した部分を抜き出したくなった。 孔子は「清貧」を推奨しているものと勝手な印象を持っていたが、 富は誰もが欲しいものだか...
古典に学ぶ人生論

「知る→好む→楽しむ」と心は躍る/「論語」雍也第六

ブログに良いタイトルつけたなぁと思わせてくれる論語の一節。 「子の曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(論語・雍也第六の二十) ごく簡単に言うと「知...
世界を読み解く方法

マックス・デルブリュック「限定的いい加減さの原理」

神田邦彦「現代文 標準問題精講」を解いていて、1969年度のノーベル生理学・医学賞受賞者のデルブリュックが、「限定的いい加減さの原理」が発見に必要だと述べたという話が出てきた。 "Principl...
世阿弥「風姿花伝」

勢いに逆らわず時を待て/世阿弥「風姿花伝」

ビジネス書として世阿弥「風姿花伝」を読むという観点があるらしい。 ヘタな自己啓発本より世阿弥「風姿花伝」(12/07/21) 世阿弥の年齢別人生論/風姿花伝・年来稽古条々(13/03/27)...
世界を読み解く方法

近代と現代を分かつもの/神田邦彦「現代文 標準問題精講」

「現代」の一つ前の時代を指す「近代」。しかしその区別はなんとなくモヤっとしている。 これについて論じている大学受験の現代文問題集の学習メモ 「近代」の特徴を表す、三つの「つ」 著者は近代の特徴と...
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