人生の哲学と科学

お薦めの本

ヒマラヤ山脈と脳進化の不思議な相関/藤井一至「土と生命の46億年史」

ヒマラヤ山脈の隆起と人類の脳容量増大に相関関係が?!藤井一至「土と生命の46億年史」で出会った驚くべき仮説。約4000万年前にインド亜大陸がユーラシア大陸と衝突して、ヒマラヤ山脈とチベット高原が形成さ...
日本の美意識

加藤周一「日本文化における時間と空間」

NHK「あの人の本棚」で鈴木敏夫さんが紹介されていて、愛読書の一つとして加藤周一の著作をあげていた。この機会に読んでみたのが、 加藤周一「日本文化における時間と空間」2008年に亡くなった著者が200...
中国古典

できない理由から考えるのはダメ

最近の出来事から、ふと思い出したこと。20代半ばの頃、お世話になった税理士の先生に、「できない理由から考えるのはダメ」と教えられた。※昔紹介した3つの教えのうちの1つ相談を受ける立場になって考えてみれ...
脳と遺伝子の探求

脳の進化にまつわる誤解。人類が進化の最終形ではない。

鳥が私たちと同じように言語や文法を操っている。鈴木俊貴さんの研究に驚いてしまうのは、脳の進化にまつわる誤解が頭から離れないせいだと思う。現在でも引用されることの多い誤った捉え方の代表例が、ポール・マク...
しあわせのかたち

ショーペンハウアー「幸福論」で考える、投資家のあり方

バートランド・ラッセルの「幸福論」に続く、富と幸福に関する名著を読み直す2冊目は、 ショーペンハウアー「幸福について-人生論-」ドイツの哲学者、ショーペンハウアー(1788~1860)は、西洋思想史上...
ラッセル&アランの幸福論

ラッセル「幸福論」で考える、富と幸福。

約十数年前の話。株式投資をはじめて9年ほど経ち、そこそこの資産を手にし、前年にリーマン・ショックも経験していたことも影響したのか、富と幸福をテーマに様々な本を読み漁った時期があった。 富と幸福(09/...
世界を読み解く方法

探究人がAI時代に生き残る?/今井むつみ「学びとは何か」

副題の「探究人になるために」に目を引かれて手に取ると、なんと尊敬する羽生善治さんが前文を寄せている本だった。 今井むつみ「学びとは何か」岩波新書から2016年に出版された本に今ごろ気が付いた。赤ん坊の...
世界を読み解く方法

アブダクション、連続性、学びの作法/パース「連続性の哲学」

書店で「仮説○○」というタイトルの本が並んでいるのを見て、十数年前に挫折した岩波文庫をもう一度、手にとってみた。 パース「連続性の哲学」チャールズ・サンダース・パース(1839-1914)は、推論や探...
世界を読み解く方法

学習過程を探究の過程とするための方法

物事を俯瞰して捉え、自己の在り方を問い続けるために、学習過程を探究の過程にすることが重要、というような話が、文部科学省の学習指導要領に載っていた。 総合的な学習(探究)の時間(文部科学省ウェブサイト)...
世界を読み解く方法

何気ない日常にいかに驚くか?/九鬼周造「驚きの情と偶然性」

「好奇心はどのように生まれるのか?」最近ちょこちょこ書き留めている気になるテーマのひとつ。 好奇心はどのように生まれるのか?(22/12/13) 好奇心を持ち続ける(23/01/01) 好奇心の源は「...
情報と知性

文字、索引、Google、AIに対する懸念はすべて同じ/デニス・ダンカン「索引の歴史」

この世のすべての情報に索引を付ける。それがGoogleが目指していることだと捉え、書物における索引の歴史を読み解けば、何かが見えそうだ。 デニス・ダンカン「索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明」索引は...
古典に学ぶ人生論

君主論の運命・力量・時代性。力量とは…

マキャベリの名著「君主論」で掲げられた名君の条件。 運命(Fortuna/フォルトゥーナ) 力量(Virtu/ヴィルトゥ) 時代性(Necessita/ネチエシタ)これに初めて出会ったのは、塩野七生「...
情報と知性

ピーター・バーク「博学者 知の巨人たちの歴史」

株式投資を本業とし、余裕ができる時間を読書に充てれば、「博学者」や「知の巨人」への道が拓けるかも?なんてことを密かに思ってから10年以上が経過しているが、橋にも棒にも引っかからず、単なる趣味人どまりの...
お薦めの本

色あせ始めた? カーネマン「ファスト&スロー」

ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」。著者がノーベル経済学賞を受賞したことで、今度も読みつがれる名著になるだろうと思っていたが…。最近、立て続けにその内容に疑問を呈する本に出会った。 スチュアー...
世界を読み解く方法

世界を読み解く方法を求めて

株式投資をはじめた当初は、お金を殖やすことが最大の目的。就職活動の時期が就職氷河期と呼ばれた時代にあたり撃沈。株式投資で世間を見返してやる!という意気込みだった。それから約5年経って、このブログをはじ...
世界を読み解く方法

微分・積分とたわむれる

今年9月に発売された、小林俊行「地力をつける微分と積分」。東京大学の文科1、2年生向けの数学の講義で、壁際に立ったり、床に座ったりする学生がいるほど超人気。 立ち見・床座りでも聴きたい、数学の講義(R...
私の人生観

職業「遊び人」宣言から10年

ドラゴンクエストⅢのリメイク版が来週発売。思い出深い作品なので予約注文している。小学生の頃は、職業「遊び人」のキャラクターを育てると、ダーマ神殿で「賢者」に転職できることを、ただ笑うばかり。そのまま忘...
宇宙を読み解く科学

レス・ジョンソン「人類は宇宙のどこまで旅できるのか」

20世紀末にNASA星間推進研究のリーダーを務めた物理学者が、星間旅行は可能だ。ただ猛烈に困難なだけだ。人類に、この困難を引き受ける覚悟はできているだろうか?と問いかける一冊、レス・ジョンソン「人類は...
世界を読み解く方法

「数字まみれ」の現代が私たちに与える影響

ミカエル・ダレーン、ヘルゲ・トルビョルンセンの共著「数字まみれ」。邦訳の副題には、「なんでも数値化がもたらす残念な人生」とあり、原題は「MORE. NUMBERS. EVERY. DAY.」。かつては...
人工知能をめぐる議論

脳にチップを埋め込むしかない?!

いわゆるホワイトカラーの仕事で生成AIの活用が広がる中、個々の業務遂行能力に残酷なほどの格差が生まれそう。そんな世の中の雰囲気に触れて、自分の間違えに気が付いた。脳にチップを埋め込むなんて気持ち悪い話...