吉田喜貴(まろ)

宇宙を読み解く科学

宇宙の歴史と超弦理論/野村泰紀「なぜ宇宙は存在するのか」

野村泰紀「なぜ宇宙は存在するのか」。 YouTubeに登場した著者の話にわくわくしたので、「はじめての現代宇宙論」と副題の付いたこの本を読んでみた。 すべてを理解するのは難しかったが、宇宙論の本をたく...
投信ビジネスの闇と再生への道

セゾン投信は天冨良よこ田と同じ道を歩むのか?

日本に積立投資を広めた功労者のひとりである、中野晴啓さんが、親会社クレディセゾンとの対立の末、セゾン投信を追われた件について。 私もちょくちょく意見を聞かれることがあるけど、基本的には投資信託は専門で...
お薦めの本

ハイゼンベルク「部分と全体」

ウェルナー・ハイゼンベルクの自伝「部分と全体」を久しぶりに読み返した。 この本をはじめて手に取ったのは2012年のこと。投資好きが興じて未来学を追い求めて挫折した過程で、 ハイゼンベルク「不確定性原理...
食文化と美食探訪

一汁三菜の源流は本当に宴会料理?

一汁三菜の来歴について調べると、以下のような和食の歴史に沿って説明されることがほとんど。 神饌料理(神社の祭礼で神様に捧げる料理) 大饗料理(平安貴族の宴会料理) 本膳料理(室町武士の宴会料理) この...
投資や経済の話題

株主総会の平日10時開催がだるい

平日の朝に株主総会会場に出かけるのが嫌になってきた。 都心に出かけようとすると、9時台前半の電車に乗らないといけない。通勤ラッシュは終わる時間帯だけど、それなりに車内が混んでいる。インターネット配信も...
投資や経済の話題

ChatGPTで知恵の壁打ち/ソフトバンクグループ株主総会2023

2023年3月期決算の株主総会の中継動画を見ている中で、興味深かったのが孫正義さんのChatGPTの活用法。 孫さんは夜な夜な自分のアイデアを聞かせて、何度も「そのアイデアは非現実的です」と回答してく...
お薦めの本

マンデルブロ「禁断の金融10ヵ条」

マンデルブロ「禁断の市場」を再読し、2009年夏の記事を書き直した。 当時はナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン」を読み、 その中で紹介された哲学者ポパーと数学者マンデルブロが気になり、 彼ら...
世界を読み解く方法

投資家にオススメしたい現代文の学び直し

22歳で株式投資をはじめるまでは、ほとんど本を読んでいなかった。必要に迫られて、経済、金融、会計、経営関連の書籍を読み倒したが、この世界を読み解くための方法に近づいた実感はえられなかった。 30代にな...
世界を読み解く方法

投資家にオススメの社会学の名著

相場の格言に「人の行く裏に道あり花の山」というものがある。しかし多くの個人投資家はこれと逆行しているのではないか。投資家だけではなく、社会全体が一方向に触れやすくなっている。 「知」を解放する装置とし...
世界を読み解く方法

投資家にオススメの科学書(相対性理論・環世界)

当事者として企業価値評価を争点の裁判に関わる中、 リーマン・ショックが起こり株価が暴落し、世界が大混乱。 裁判になったり、株価が乱高下したりするのは、 企業価値を評価する絶対的な方法がないからだよね。...
世界を読み解く方法

投資家にオススメの科学書(進化論)

個人投資家の間で信仰を集める「長期投資」の教え。 もちろん私も信じたいが、鵜呑みにしないための学びも必要だ。 「長期で株式を保有すれば必ず儲かる!」という信仰の土台は、 進化論の曲解から生まれているの...
人工知能をめぐる議論

AIみたいだね。人間なのにすごいね。

将棋の盤面については詳しく分からない。でも羽生善治さんの著作を読みあさって学んだことのひとつは、将棋の動向にテクノロジーの最先端が垣間見えるということ。とくに人間の知性や頭脳の位置づけがどうなるのか?...
古典に学ぶ人生論

世間に価値判断を委ねない/マルクス・アウレリウス「自省録」

前回のポッドキャスト収録で、「株式投資において辛抱強さを身につけるには?」とrennyさんから問われて、古典を読むことと回答。 禅の問答集と答えている時、思い描いたのは「正法眼蔵随聞記」。私の愛読書「...
社会や政治の問題など

名刺交換儀式は環境問題。コロナを機にやめるべきだったが…

日本人の名刺大好き問題 COVID-19襲来以降、不要になっていた名刺交換の儀式が復活してしまった。 日本は世界一の名刺消費国と言われていて、1日に約3,000万枚、1年間にすると約100億枚も使用し...
お薦めの本

人生を楽しむために学び、自分なりの価値観を持て!/國分功一郎「目的への抵抗」

今春、國分功一郎「暇と退屈の倫理学」の文庫化を機に再読、 蔵書に加えてまもなく、新潮新書から新刊が出たので手にとった。 國分功一郎「目的への抵抗」 読み始めてみると、その内容の半分超は、 おととしジョ...
日記と雑談

2020年3月頃をふりかえる

今週、rennyさんとポッドキャストを収録した際、テーマが2020年3月の投信レポートの振り返りだったので、手元資料としてざっと関連ニュースを書き出していた。 2020年3月頃の大きなニュース 2月1...
日記と雑談

Discord に触れようとして Midjourney にハマる

SNSの盛衰 COVID-19襲来を機にユーザーが急増したという"Discord"。 このボイスチャットアプリは、20代、30代のユーザーが多く、親世代のSNS、Twitter、Facebookに代わ...
食文化と美食探訪

辻留・辻嘉一 語録 料理秘伝

そういえば最後に赤坂「辻留」に訪れてから8年以上経つ。その間に魯山人に師事した三代目の辻義一さんは引退し、今は代替わりをされて、四代目は辻家ではない方になっているようだ。 初代・辻留次郎さんが京都で仕...
日本の美意識

語源に学ぶ「しあわせ」のかたち。為合わせ・仕合わせ・幸せ。

中島みゆき「糸」にこんな一節がある。 縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます 「幸せ」ではなく、「仕合わせ」と表現し、 さらに語源をきちんと意識した深いフレ...
お薦めの本

将来の災害リスクと向き合う難しさ/高嶋哲夫「富士山噴火」

太陽フレアによる大停電SF(伊藤瑞彦「赤いオーロラの街で」)に続いて、 こちらはより身近な自然災害を描いた、 高嶋哲夫「富士山噴火」 南海トラフ大地震の惨劇から約3年、富士山が不気味に動きはじめる。 ...