投資家にオススメの科学書(進化論)

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個人投資家の間で信仰を集める「長期投資」の教え。
もちろん私も信じたいが、鵜呑みにしないための学びも必要だ。

「長期で株式を保有すれば必ず儲かる!」という信仰の土台は、
進化論の曲解から生まれているのではないか?

そんな気付きを得るきっかけとなった二冊が、

とくに前者は岩波ジュニア新書で読みやすい。

チャールズ・ダーウィンの進化論は、

  • 市民革命による自由の獲得
  • 産業革命によるヨーロッパの技術的優位の確立

を背景に、社会が段階的に発展するという思想に巻き込まれてしまう。
(ハーバード・スペンサーの社会進化論)

こうして進化論が人間社会の進歩にまで拡張されることで、
自然淘汰や適者生存の概念が本質を離れてひとり歩きをはじめた。

そしてその延長線上に、次のような長期投資の前提が生まれていく。

  • 時間とともに社会が進歩・革新し、経済が拡大していく
  • 長期的には優れた企業、強い企業が生き残る

しかし本来の進化論では「進化」は「進歩」とは別物の「変化」にすぎない。

「進化とは、生物が時間とともに「変化」していくことであって、その変化は必ずしも「進歩」であるとは限りません。・・・自然淘汰に目的はないのだし、進化は、人間という「高等な」生き物を生み出すように進歩を重ねてきた過程なのではありません。」(長谷川眞理子「進化とはなんだろうか」)

また多くのビジネス書が後付け解釈で披露するような、
成功・失敗の法則は、自然淘汰や適者生存とは無関係だ。

「自然淘汰は、弱肉強食でも優勝劣敗でもない。自然の世界で適者であるための条件は、生き延びて子孫を残すということだけだ。それを弱肉強食や優勝劣敗の掟で包み込むのは、自然淘汰の原理を人間の勝手な価値観(多くは時代の要請)とすりかえる誤りである。」(吉川浩満「理不尽な進化」)

誰しも人生や社会が一歩ずつ前に進むものであって欲しいと願う。
そんな願いが呪縛となって進化論が曲解されていったのだろう。

長期投資への信仰はもちろん、世の中で正しいとされる話は、
私たちの願望が生み出す幻想にすぎないのかもしれない。
そのことを常に頭の片隅においておきたい。

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))
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