人はこの世界の時の流れを、日・時・分・秒と細かく切り分けてきた。
時を均質に切り分けてしまったから、一度きりを意識しにくくなっている。
でも、人生における大切な時間・瞬間の多くは、一度きりで終わってしまう。
そして、その大切さに、振り返ることでしか気付けなくて、悲しんだりする。
すべてが一期一会。そう分かっていても、意識がどこかへ飛んでしまう。
先日の連塾で、川上未映子さんがオススメの本として紹介していた詩集、
笹井宏之「えーえんとくちから」を読んでみた。
作者の笹井さんは、おととし26歳の若さで亡くなっている。
一度きりの瞬間を切り取った、きれいな言葉たちが輝いている。
この人の詩にはもう会えないんだな、って想いがさらに輝かせる。
そうか。
人は自らの人生が一度きりであることを忘れたいから、
今日も明日も同じ、平凡な毎日が過ごせるように、時を発明したのか。
私たちの心の中に、永遠へのあこがれがあるから、
一度きりの美しさを、出会った瞬間に感じにくいのかもしれないね。
ふと気になることがあって、古語辞典を引きたいけど、手元に見当たらない。
しかたないから、今から買いに行ってくるね。つづきは、また後で。>>>つづく
ちなみに「えーえんとくちから」は「永遠を解く力」。彼は見つけられたのかな。
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