典座(てんぞ)は、禅寺の料理係の役職のこと。
道元の「正法眼蔵」は難しすぎる!という方にオススメしたいのが、
食を通じて禅の精神に迫る、斬新な切り口が魅力の「典座教訓」。
粗末な食材だからといって、いい加減な料理をするのは、
人を見て言葉や態度を変えたりするのと同じことだよ、と諭す。
どんな食材も生かしきって、真心をもって調理すべしと。
和食の料理人の美意識にも通ずる典座の心得。
その心得の中でも、喜心、老心、大心が大事、と道元は説いた。
自分が作った料理を食べてもらえる喜びと感謝の心を忘れずに(喜心)、
子を思う親のように(老心)、食べる人の喜ぶ顔を想像しながら料理しよう。
こうして励んでいれば、広く澄み切った心(大心)の境地が得られるだろう。
食への愛が感じられるところが好き。
私はこの本がきっかけで、「正法眼蔵」も読んでみたくなったんだ。
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道元「典座教訓」 (角川ソフィア文庫) (2009/07/25) 道元 商品詳細を見る |
コメント
料理を作る。
食べるため、毎日している当たり前の家事のひとつに、
こんな心得があったなんて!
心穏やかに生きるヒントは、
きっと毎日の生活の中にあるんですね。
食を大切にすることで心が豊かになる。
つまり1日3回幸せになるチャンスがあるってことですね。